訪問介護の求人はこう選べ!具体的な仕事内容や時給についても紹介

訪問介護は独居の高齢者宅や、高齢者のみの世帯宅を訪問し、介護を行う仕事で、「登録ヘルパー」や「ホームヘルパー」とも呼ばれています。

現在、日本は超高齢社会の真っただ中で、在宅で介護を必要とする高齢者は急増しており、見込みの「お客様」はたくさんいますが、「介護の仕事はきつい割に給料が安い」という悪いイメージが先行し、介護の仕事に就きたいという人が少ないのが現状です。。

また、訪問介護の仕事に就くには、ホームヘルパー1級、2級、介護職員初任者研修、介護福祉士などの資格が必要になるので、これが「就職の壁」になっているのです。

しかし、訪問介護ビジネスは、国の介護保険制度によって運営されているので「公共事業」という側面があり、職業としては「安定した職業」ですし、現役のヘルパーさんからは、「感謝の言葉を直接頂けるやりがいのある仕事」と口をそろえて言われています。

ここでは、訪問介護の具体的な仕事内容や、求人状況、求人の特徴、賃金の相場、正社員とパートの違いなど、訪問介護についてまとめたので、これから訪問介護を就職先、転職先として考えている方のお役に立てれば幸いです。

訪問介護ってどんなことやるのか?具体的な仕事内容は?

339886訪問介護で働くには、まずは「訪問介護事業所」を運営する企業や法人に就職しなければなりません。

訪問介護事業所は、訪問介護員として働く従業員を、都道府県に登録し、そこに登録された人が「訪問介護員(登録ヘルパー、ホームヘルパー)」となり、介護認定を受けている高齢者の介護を行います。

訪問と施設勤務の介護スタッフの大きく異なる点は、訪問介護の場合は勤務先が利用者様のご自宅になるという事です。

ですから、訪問介護員が会社の事務所に行くことは稀で、一般的には自宅から訪問先に「直行直帰」で、経験者の方で仕事が軌道に乗っていれば、会社に行くのは週1回程度になるのが大きな特徴です。

具体的な仕事内容

訪問先の高齢者宅で行う仕事は、主に「身体介護」と「生活援助」の2つで、その日にやることは事前に会社から伝えられます。

訪問介護の仕事内容を紹介する上で、重要になるのが、「会社が指示した仕事以外はやってはいけない」というルールがあること。

例えば、介護を受けるお客様から「犬の散歩をしてきてほしい」と言われても、その仕事を受けてはいけません。

何で断らなきゃいけないのか?と言うと、これは「訪問介護の仕事として認められていない」からで、ヘルパーは介護保険制度のルール通りに仕事を行わなければならないのです。

また、訪問先の滞在時間も会社から「1回45分」や「1回60分」などと指定されており、緊急事態が発生しない限り、これより短い時間で業務を済ますことも、延長することも許されません。

訪問先での仕事が終了したら、お客様に「サービス実施記録」を渡し、署名捺印をしてもらいます。

サービス実施記録には、その日に行った介護内容や介護時間が記されていて、お客様から「確かにその通りのサービスを受けました」と証明してもらう必要があるためです。

身体介護と生活援助って?

・身体介護

体が動かなくなったお客様に、直接体に触れて援助する介護サービスです。

お客様の中には寝たきりの方もいるので、そういった方にはオムツを付けてもらう必要があり、オムツ交換は訪問介護員のメインの仕事になります。

身体介護はその他に、入浴援助、食事介助、清拭、血圧や呼吸などのチェックといった仕事があります。


・生活援助

生活援助で最も多い仕事は、調理です。

お客様の冷蔵庫から食材を取り出し、台所で調理して、食事を提供します。

また、掃除や洗濯、買い物も生活援助に含まれます。


・通院介助

体が不自由な方が病院に行く場合、車椅子が必要になりますが、こういった場合に、お客様をベッドから車いすに移乗させ、車椅子で目的地に移動します。

お客様を病院に連れて行くことを通院介助と言います。


とある訪問介護員の1日を紹介

では、実際にどのような流れでお仕事をこなしているのでしょうか?

具体的に頭の中でイメージできるように、訪問介護員(登録ヘルパー)の1日の仕事の流れをご紹介します。

10:00~10:45 1人目のお客様宅に到着。
生活援助45分。
内容は掃除、洗濯、買い物。
10:45~13:00 お客様宅から自家用車で帰宅。
自宅で家事を済ませ昼食をとった後、再び自家用車で2人目のお客様宅へ。
13:00~15:00 2人目のお客様宅では、生活援助を45分行った後、タクシーを呼び2人で病院へ。
診察後はご家族が迎えに来るので、1人でタクシーでお客様宅に戻り自家用車で会社(訪問介護事業所)へ。
15:00~16:00 会社で翌週の勤務スケジュールを受け取る。
上司であるサービス提供責任者から、お客様からクレームがあったことを知らされ、今後の介護の進め方について指導を受ける。
この日の業務はこれで終了。

日によって対応する利用者様の人数や、タイムスケジュールは違ってきますが、大体はこのような感じになります。

訪問介護の求人の特徴とメリット

特徴

訪問介護の求人募集の大きな特徴は、パートや派遣などの非正規雇用が多いこと。

これは、人件費がかさむ正社員の訪問介護員を増やしたがらない傾向があり、雇用主となる訪問介護事業所は、人件費が抑えられる非正規雇用を重宝している背景があります。

また、交通費の負担を軽減するため、訪問介護事業所から遠い場所に住む人を採用しない傾向も見られます。

これは、介護職が他職種よりも離職率が高いことから、「会社が遠い」という理由で退職されるのを防止する狙いもあります。

ですから、訪問介護で働きたいと考えているなら、なるべく自宅から近い会社を選ぶようにするとよいでしょう。

働く人のメリット

訪問介護のメリットは、希望通りの勤務時間で働けること。

例えば、1日3時間だけ、週2日勤務だけという短時間での働き方も可能なので、子育て中の主婦がパートで働いているケースが非常に多い傾向にあります。

子供が小さいうちは短時間で働き、子供の手が離れたら長時間働いて稼ぐ、というワークスタイルが、同じ事業所に勤務しながらでも可能になるので、ワーキングマザーに支持されているのです。

このように非正規雇用の方が活躍する職場になりますが、指導的な立場の方も一定数必要になるので、正社員求人がゼロというわけではありません。

つまり、正社員として訪問介護の仕事に就きたい場合は、それなりのキャリアが求められます。

具体的には、保有資格もホームヘルパー2級や介護職員初任者研修では足らず、上級の介護福祉士が必要になるでしょう。

介護福祉士の資格があれば、訪問介護への正社員採用も、そう難しくはありません。

訪問介護の時給や給与について

パートタイマー・派遣

パートや派遣で働くヘルパーさんの時給は、1000円から2000円と、各事業所ごとに金額に関しては幅広いのが特徴です。

また、移動が伴うので、時給の他に交通費が出るところが一般的で、同じ会社でも、家事援助を安く、身体介護を高く設定しているところもあり様々です。

交通費の支給は、自宅からお客様宅への移動距離に応じて支払われるのが一般的です。

例:「1km当たり30円」

こんな風に定められています。

また、パートの訪問介護員であっても、ボーナスを支給している事業所もあり、就職する際のチェックポイントとなるでしょう。


正社員

正社員の訪問介護員の手取りは、月額15万~20万円が目安となります。

正社員の場合は、ボーナスがほぼ100%支給されるので、ボーナスなしのところは、敬遠した方がいいかもしれません。

正社員の求人票を見るときは、「ボーナスが何カ月分支給されるのか?」を確認しておきましょう。

ただ、手取り20万円以上をもらうには、ほかの訪問介護員の見本になりうる人に限定されます。

訪問介護事業所側が「この人なら将来的にサービス提供責任者をやってもらえそうだ」と感じたら、厚遇されるでしょう。

また、前職でのサービス提供責任者の経験がある方なら、転職ではかなり有利になるので、賃金などの条件交渉も視野に入れておきましょう。

参考記事:サービス提供責任者とは?仕事内容や給料について


時給の地域差

訪問介護は大くがパートになるので、パートの時給について地域差を見てみます。

結論から言うと、時給には地域差はほとんど見られません。

下記の表をご覧ください。これは、ハローワークの求人票から地域にばらつきを持たせて抽出したものです。

━━求人掲載例━━

札幌市南区

H社会府福祉法人

7時~21時の3時間以上、週1~6日 時給:家事援助1200円、身体介護1500円、研修・会議770円、介護処遇改善手当月額3000~5000円、賞与なし、通勤手当実費も1日上限1000円、訪問時ガソリン代は別途支給
宮城県大河原町

M社

8時~19時の3時間程度、週5日程度 時給1180円、交通費:自宅⇔利用者宅km×20円、賞与なし
東京都港区

T社

8時~20時の2時間以上、週1~5日 時給1450~2050円(移動手当100円/時、介護処遇改善150円/時含む)、資格手当(介福のみ)5000円/月、賞与なし
名古屋市千種区

A社

8時~19時の1時間以上、週1日以上 時給1100~1800円、その他勤勉勤務手当、身体介護手当、休日勤務手当は別途(額不明)、賞与0~10万円/年、通勤手当上限2000円
大阪市中央区

O社

7時~22時の1時間以上、週1~6日 時給1400~1950円(土日祝は200円アップ)、賞与1万~10万円/年、通勤手当実費も上限500円/日
広島市佐伯区

H社会福祉法人

8時30分~17時30分、週3~5日 時給850~1000円、介護処遇改善手当9600~16000円/月、賞与なし、通勤手当実費も上限30000円/月
福岡市東区

H社

9時~12時、13時~15時、15時~18時のいずれかで、週2~5日 時給1150円、訪問手当1軒200円、賞与なし、通勤手当実費上限なし

上記の表の「東京都のT社の1450~2050円/時間」の求人は、かなり時給が高いように感じるかもしれませんが、最低と最高の幅が広すぎることから、「2050円/時間」に関しては、介護福祉士の採用を想定している可能性があります。

また、これには移動手当と介護処遇改善手当が含まれているので、これを差し引くと最高額でも「1800円/時間」となります。

事業規模が小さい会社だと、介護処遇改善手当が出ない場合がありますし、時給に差が出るのは、地域性よりも、「事業所の規模」と「経営者の考え方」によるところが大きいといえそうです。

介護処遇改善手当は「介護保険のおカネ」から支給されるのですが、事業所がしっかり研修を行っていることなどが支給条件になります。

つまり研修を行っていない事業所は、訪問介護員に介護処遇手当を支払えない裏事情があるのです。

訪問介護の正社員として採用されるには?

訪問介護事業所で正社員を募集している事業所はそれほど多くはなく、狭き門とされています。

正社員の訪問介護員として採用されるには、入口の資格であるヘルパー2級や介護職員初任者研修だけでは難しく、介護福祉士の資格が必要になるのが一般的ですが、介護福祉士の資格だけではまだ不十分なところも多く、雇用主からは、5年以上の経験年数や新人訪問介護員の指導スキルなども求められる事も多々あります。

「正社員への道が何でこんなにも厳しいのか?」

と言うと、経営が安泰してない訪問介護事業所が多いからです。

パートなどの非正規労働者を活用して、人件費を切る詰めて、ようやく利益が出るかどうかという状況で運営している事業所も少なくないのです。

また、正社員採用される多くの方は、パートや紹介予定派遣で採用された後、能力を認められて正社員登用されています。

つまり、最初はパートや派遣社員からでも、とにかく「訪問介護の世界に入ること」が、正社員になる近道かもしれません。
紹介予定派遣から正社員を目指すってなに?

訪問介護の求人を探す時はココに注意しよう!

訪問介護の求人票を見る上で、どこに注目すればいいのか?と言うと、まずは求人元をしっかり確認することです。

社会福祉法人や医療法人は経営が安定しているところが多く、また賃金体系や労務管理もしっかりしているので、多少時給が安くても、享受できるメリットは多く、おすすめです。

反対にあまりおすすめしないのが、株式会社が母体の求人。

経営が安定していない訪問介護事業所は、ブラック企業と呼ばれてしまうようなところも多数存在するので、就職・転職に失敗しないためにも、まずは業界に精通している求人サイトに登録し、企業情報を得るのが重要になります。

参考記事:ブラックな介護施設の特徴や見分け方

正社員に限定しない働き方を希望する人には訪問介護はとても良い職場です

配偶者の収入が安定していて、パートや派遣で働き、家計の足しにしたいという人にとって、訪問介護は最適な職場といえます。

直行直帰できることで「会社に縛られている」という感じがなく、ストレスが小さいのも魅力の1つです。

また、お客様の了解さえもらえれば、勤務時間の変更も可能です。

子供が小さいうちは行事が重なるため、勤務時間に融通が利く訪問介護の仕事はママさんにはうってつけなんじゃないでしょうか。

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ハローワークや求人誌では良い条件の職場が紹介されていなかった。。

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