
介護業界は圧倒的に女性が多い職場です。
それは、介護というのが元々長らく女性が担っていた仕事で、日本人の価値観に「女性はお年寄りに優しい」という考えが深く根付いているからです。
しかし、介護保険制度が始まって15年以上が経過した今、介護の世界には沢山の男性がいますが、元々あった「女性の介護職員は優しい」という考え方は今→「男性介護職はガサツ」という男性差別や偏見の声に変わりつつあるのです。
ですが、女性の差別は耳にすることはあっても、男性への差別はそれほど多くは声が届かない実情があります。
そこで、男性介護士への差別の実態と、差別被害に遭ったらどうしたらよいのか、について考えました。
介護現場における男性差別の実態・事例
なぜ男性の介護職が敬遠されるのか?
そもそも介護現場では男性自体が利用者から敬遠されがちな面も否めません。
「介護は女性の仕事」と考えるのは、女性の介護職だけでなく、利用者である介護高齢者も同じ。
例えば、オムツ交換は、介護高齢者の立場からすると、自分の性器を赤の他人にさらすことになりますが、女性高齢者の場合は、男性スタッフにはオムツ交換をしてもらいたくないと感じるのは当然の感情ですよね。
また、男性高齢者も「若い男のお世話になんてなりたくない」と思う人は多いのです。
つまり男性介護職員は、男というだけで、利用者であるおじいちゃん、おばあちゃんから拒絶されることがあるのです。
このことが、介護職場での男性差別を生んでいます。
介護職が、お客様である介護高齢者から関わりを拒否されると、仕事になりません。
複数の高齢者から拒否された職員は、職場内で「仕事ができない人間」というレッテルを張られてしまうのです。
「男性というだけで不利になる」職場も多数あり、それが介護現場の実態といえるでしょう。
参考記事:介護職のいじめの実態
男性差別を無くすにはどうすればいいのか?
男性介護職への差別をなくすには、経営者や施設長の日常の管理が欠かせません。
介護の仕事は体力勝負なところが多いので、男性の持っているパワーは必要不可欠。
ですから、まずは上に立つ経営者や施設長が、男性が働きやすい職場作りを心掛ける必要があります。
男性も働きやすい職場を作っていくには、管理職が抜き打ちで職場を訪れたり、気軽に悩み相談ができる雰囲気作りが欠かせません。
ですが、経営者や施設長がこれを実行するには、勇気が要ります。
何故なら、施設長が男性介護職の訴えに耳を傾けて職場改善に取り組むには、まずは何を置いても女性職員に自制を求めなければならないからです。
しかし、介護の現場というのは圧倒的に女性が多く、場合によっては女性介護職がこぞって改善策に反発する恐れがあるのです。
もし、女性が改善策に反発すれば、職場が一時的な混乱を生じます。
職場の混乱は、介護高齢者の生活の質に大きく影響してしまうので、経営者や施設長は慎重にならざるを得ないのです。。
職場の改善が難しいなら、転職を視野に入れよう
介護業界は女性が中心になり、活躍している世界なので、肩身の狭い思いをしている男性も沢山いると思いますが、男性への差別が酷い職場は直ちに去るべきです。
職場で差別的な扱いを受けている男性の中には「ただただ耐えるしかないのか?」と思われるかもしれませんが、他の介護事業所への転職したら解決したという事例も数多く存在します。
また、男性差別への問題に意識の高い介護事業所は、すでに「男性も働きやすい職場作り」に取り組んでおり、そのような取り組みを始めている介護施設は、男性介護職の能力を高く評価してくれる傾向にあるので、嫌な思いをしてまで今の職場にしがみつく必要は無いのです。
もし、「差別を受けている」と感じたり、「職場長が差別解消に取り組んでくれない」と思っているのであれば、転職を前向きに検討してみてはいかがでしょうか?
幸い、介護業界の転職市場は活発で、求人数も多く、介護経験のある男性は、どの事業所からも引く手あまたで、男性が活躍できる場、必要としてくれる施設は山ほどあります。
現状を打破する一歩が、今必要なんじゃないでしょうか?
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