「将来が不安・・」男性介護職の悩みと将来設計の組み立て方

右肩上がりに給料が上がっていった高度成長期のように良い企業に入れば「生涯安泰」と思っている人は、今はほとんどいません。

今はむしろ「将来不安を抱える人」の方が圧倒的に多いですよね。

 

特に一家の大黒柱である男性の悩みは深刻。

 

男性の場合は、生活費、教育費、住宅ローン、保険、将来の年金など、金銭的な悩みも大きければ、会社や仕事に対する不満も多いのです。

ここでは、介護職の男性の将来不安や悩みにスポットを当てています。

介護業界で働く男性がどのような気持ちでいるのか?また、どのようにライフプランを組み立てていけばいいのか?をご紹介させていただきます。
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介護職の男性の「将来不安」や「男性特有の悩み」

【経済的不安】他の業種と比べて賃金水準や賃金上昇率が低い

自分や家族の未来を思い浮かべた時に、1番最初に考えてしまうのが「経済的な不安」です。

介護の仕事は他の仕事と比べても給料が低いことはよく知られていますが、周りの同年代の友人と比べると、かなり年収が低いので、

 

「自分はこの仕事を続けていいのだろうか?」
「他の仕事に転職した方が良いんじゃないか?」

と今後に不安を感じている男性はとても多いのです。

 

実際に、私の身近な30歳男性のモデルを比べてみると、

  • グループホーム勤務の介護福祉士「330万円」
  • 大手自動車メーカー勤務「年収700万円」

というように、年収が倍以上も違うケースも実際にあります。

 

大手自動車メーカーに勤める友人は、高級車購入・結婚・マイホーム購入など、金銭的にも精神的にも満たされた生活を送っています。

しかしその一方で、国家資格を取得しているGH勤務の介護福祉士は、軽自動車に乗り、彼女無し、賃貸アパート暮らしと格差が生まれているケースもあるのです。

介護業界で働く人が不幸せという事ではありませんが、同年代と比べると金銭的な経済格差が生まれているのは事実なのです。


【会社に対する不安】今の勤務先の将来が不安

また、勤務先の施設や介護事業者の将来性に対して不安を覚える人も少なくありません。

経営状態があまりよくない介護業者というのは結構多く、2015年には年間に76件もの介護事業者が倒産している実態があります。

賃金が安い・給料少ないにも関連していますが、資金が潤沢でない業者の今後は厳しいでしょうね。

競争も激化しているので、今後10年、20年を勝ち抜くには、経営状態の良い介護施設への転職が必要になってくるでしょう。

関連記事:相次ぐ介護事業者の倒産から考える。介護職の就職先・転職先の選び方


【人間関係】女性介護職とのコミュニケーション

また、将来不安と同時に深刻なのが、女性の介護員との関係性・コミュニケーションです。

介護・福祉で働く男女比率はおよそ「女性7割・男性3割」

施設や訪問など、施設形態で男女比は変わってきますが、基本的には女性の割合が圧倒的に多いのです。

全員が優しい女性であれば、何も問題ないんですが、実際介護職で働く女性は性格がきつい人が多いので、女性とのコミュニケーションに悩んでいる男性の介護士は多いのです。


【仕事】業務内容に関するジレンマ

男性の不満は、業務内容にまで至ります。

男性の介護士がどのようなことにジレンマを感じているのか?

例えば、その1つとして挙げられるのが、介護高齢者の女性への介護です。

女性の利用者の中には、「男性にやってほしくない」「触ってほしくない」と思っている女性が一部いらっしゃいます。

そのような利用者さまには、同性の介護スタッフが対応するのですが、男であるばかりに仕事をさせてもらえないというのはジレンマでしかありません。

男性介護職員の必要性は?

介護業界では、男性が肩身の狭い思いをしていることが分かりましたが、介護の仕事に男は要らないのでしょうか?

一部の介護高齢者の中には男性にケアしてもらいたくないと思っていますが、それはあくまでごく少数に限ります。

実際は、力のある男性の介護職員というのは、現場でなくてはならない存在です。

「男性よりも女性の方が優しそう」

「介護の仕事が家事に似ている」

などの観点から数多くの女性が介護業界に進出していますが、実際は現場が欲しいのは男性介護士です。

 

なぜ、男性の介護職員を現場が欲しがるのか?

 

これは、色々な理由がりますが、その1つが「人材不足」です。

女性の場合は、結婚・妊娠・出産・子育てで辞めてしまう可能性が高いですが、男性の場合はそれらの理由で退職することはほとんどありません。

せっかく仕事を教えていた人材が退職してしまうのは、事業主から見てもあまりいただけませんが、その反面、男性は不満が無ければずっと仕事を続けてくれるので、雇う側も男の介護士が欲しいのです。

男性介護職の「将来設計」はどのように組み立てればいいのか?

介護業界で男性が必要不可欠な存在ではありますが、働いている本人からしたら、

「給料・年収少ない」「職場ではあまりよく思われていない」

など、職場に対する不満や将来に不安がある男性も多いので、「もう介護は辞めて他の仕事をした方が良いんじゃないか?」と心の中で考えている人も多いと思いますが、今まで少なくとも数年間を介護業界で過ごしてきた人が、ほかの未知の業界に転職するのは、あまりおすすめはできません。

それよりも、今の介護業界の中で

 

では、今の環境下で20年後、30年後、40年後先のことを考えた場合、どのように将来設計を組めばいいのでしょうか?

本格的なライフプランとなってくると、FP(ファイナンシャルプランナー)に頼る必要がありますが、FPでなくとも、ある程度は将来設計を組み立てることが可能です。

将来設計を考えるうえで重要なポイントは3つです。

1 まずは自分のステージを確認する

将来を考えるうえで、重要になってくるのは、今のあなたの状態です。

  • 現在の家族構成
  • 今後の結婚の予定
  • 現在の収入、年収
  • ローン
  • 持ち家や賃貸など、現在の住居

などをまずは明確にする必要があります。

2 介護職における最上位資格「介護福祉士」を目指す

介護業界での将来を考えるなら、現在の介護のキャリアパスの最上位資格である「介護福祉士」の資格取得が必須になります。

まだ、介護職員初任者研修しか取得されていない方や、無資格者の男性は、まずは介護福祉士を目指すべきです。

介護福祉士の男性であれば、どの事業者も欲しい人材に間違いありませんし、資格手当も付くところも多いので、着実に給与アップも可能です。

3 待遇に不満があるなら他の介護事業所への転職も考える

また、どうしても今の施設では、思ったような将来が描けないと思うのであれば、転職も考えるべきです。

例えば、ほとんど昇給がない、賞与がほぼつかない、給料が明らかに少ないという場合、そのままそこで働き続けても改善は困難です。

今よりも年収を50万円~100万円上げたいなら「他の介護施設への転職」が1番最適です。

ただ、今までと全く違う業界に転職するのではなく、同業他社で、今までの経験が活きる職場への転職を考えてみましょう。

例えば、今まで介護施設で勤務してきたなら、同じ施設系への転職の方が、馴染みやすいですし、ある程度どんな仕事をするのか?も想像がつくので転職に失敗しにくいメリットがあります。

介護業界でのキャリアプラン、将来設計を考えるなら、まずは地盤を固めることが大切です。

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