
介護業界は年々右肩上がりの業界なので、就職希望者も多く、求人も多数あるので、就職・転職を考える人も多数いることと思います。
この記事では、21歳の時に飲食店のアルバイトから介護業界に転身して、業界歴が3年経過した24歳男性(特別養護老人ホームに勤務)にお話しを聞かせていただきました。
彼は介護資格を何も取得していない未経験の状態から特養に就職して、今も現役で続けている介護職員なので、「未経験だけど介護業界に就職したい」「介護資格ないけど介護の仕事に興味がある」・・『だけど不安』という方にとっては、役に立つ情報が沢山あると思います。
同じ境遇から介護業界への就職・転職を考えているなら、ぜひ一度目を通してみて下さい。
無資格から介護の仕事はできるのか?
介護職は専門的な仕事だし、初任者研修や介護福祉士、ケアマネージャーなど様々な資格があるので、資格持ってないと仕事ができないんじゃないかと疑問を持たれる人も大勢いますが、無資格者でも介護の仕事に就くことは可能です。
手術をしたり、薬の飲ませたりといった医療行為は、医者か、医者の指示を受けた看護師しか行えませんが、介護業務に関しては誰がやっても問題ありません。
例えば、親が病気だからと家族がお腹を切って手術することはありませんが、親の介護に関しては、娘さんや息子さんが面倒をみる等、家族が介護をすることがあるんですから、”医療や看護”と”介護”は決定的に違うのです。
このように、資格保有者でなくても仕事を始められるのが、介護と医療の決定的な違いかもしれません。
未経験者の採用に関して
ただ、無資格からでも入れる介護の世界でも、やはり介護資格なし、介護の仕事は全く分かりませんって状態だと、最初から正職員になるのは難しいと思います。
僕も最初は正職希望でしたが、書類審査や面接で落とされることもあり、最初は1年契約の契約社員として入職しました。
ちなみに特別養護老人ホームを運営しているのは、会社ではなく社会福祉法人なので、特養に勤め始めることを「×入社」ではなく、「〇入職」といいます。
途中経過に関しては後でお話させていただきますが、途中を省くと、1年経過した時に、施設長さんから「来年も働いてくれますか?」と聞かれたので、「よろしくお願いします」と答えたら、「正職員にならないか?」と言ってもらえ、それで2年目から正職員になって、ボーナスももらえるようになったのでラッキーでした。
実際に経験ゼロの状態から就職してみてどうだったのか?
僕は前職が飲食のアルバイト出身なので、当たり前ですが、無資格の上に介護の経験もゼロです。
祖父母は、僕が小さい頃に亡くなっていましたし、この歳までお年寄りとの接点もほとんどありませんでしたが、無資格の未経験者でも、介護の仕事は問題なくできます。
ですが、今までウェイターや皿洗いしかやってこなかった自分にとっては、仕事に慣れるまでにとても苦労したのを覚えています。
まず最初にガツンときたのが、介護施設特有の臭いです。
特にオムツ交換の仕事は、おしっことウンチの臭いがするので、普段の生活では他の人の排泄物の臭いを嗅ぐことが無いので、違和感を感じますが、きっかけが掴めると、ある日突然、全く気にならなくなります。
僕が臭いを気にしなくなったきっかけは、先輩から「これが人間のにおいだよ」と言われたことでした。
そして先輩は「人のが汚いと思うなら自分の排泄物を触ってみると良いよ」とアドバイスしてくれたので、職場で使っている使い捨ての手袋を着用して、トイレで自分のウンチを触ってみました。
僕の場合はこれが効果テキメンで、それ以降は高齢者の排泄物の処理も全く気にならなくなりました。
ただ、臭いや処理に関してはそれほど気にならない人も多いですし、次第に普通に慣れていく人も多いです。
介護資格なし、経験なしの人ができる仕事内容は?
介護の現場は毎日忙しいので、無資格未経験者と有資格経験者の2者の仕事が分かれることはありません。
僕もベッドから車いすへの移乗・移動、入浴介助、食事介助、排泄介助、服薬チェック、バイタルチェックなど、最初からやらされました。
やること多すぎじゃない!?と思う人もいるかもしれませんが、最初の半年間は、自分でも拍子抜けするほど順調に進みました。
しかし、「介護資格なんかなくても、見よう見まねでできる」「介護楽勝www」と思っていた頃、自分の知識の無さにガツンとやられました。
それは病気の知識が全く無いので、先輩から「この人は心臓病だから気を付けて」と言われても、「何をどう気を付けたらいいのか?」全く分からないのです。
そんなこともあり、今は介護職員初任者研修を取りに行く予定です。
先輩から話を聞いてみると、初任者研修では医療についても詳しく教えてくれるみたいですし、介護の知識も深まるので、施設長からも「そりゃあ資格はあった方が絶対に良い」と言われたこともあり、「それなら」と思い、申込みました。
無資格から介護業界に就職する場合、志望動機はどうまとめればいい?
自分流で書いてみたものの、ことごとく落とされたので、履歴書の書き方はかなり悩みましたね。
それで介護求人サイトの担当者さんに相談してみたら、履歴書の書き方やコツを教えてくれました。
担当者さんから「なんで介護を選んだの?」と聞かれたので、正直に「求人が多いし、これからまだまだ高齢者が増えるので、食いっぱぐれがなさそうだから」と答えたところ、「それをそのまま書いた方が良い。ただし表現はこうしましょう」と言ってくれ、添削してくれました。
また、一番印象に残っているアドバイスは「無資格の人は、『将来、資格を取りたいので、ご指導ください』と書くとよい」でした。
その表現とは、「日本は超高齢社会に突入し、介護の仕事の需要は、今後、増々高まります。将来性のある仕事と考え、介護の道に進みたいと考えました。経験はありませんが、将来、介護の資格を取ってスキルアップ、キャリアアップをしていきたいので、ご指導ください。」で、この文章はまさに僕の想いそのものでしたので、そのまま履歴書の志望動機に書きました。
この履歴書は、見事、今勤めている特養の書類審査をパスしたので、「志望動機とか書き方よくわからん!」「何書けばいいのかわからん!」って人は介護求人サイトのアドバイザーに相談してみるといいんじゃないでしょうか。
check→介護求人サイト一覧
採用面接について【僕の体験】
特養の採用面接は、施設長さんがしてくれました。
施設長さんからは「なんで資格を取らなかったの?」と聞かれました。
正直に「お金がなかったからです」と答えたら、笑われました。
次に「なんで他の介護施設ではなく、特養を選んだのか?」と聞かれました。
事前に担当からこの質問が必ず出るよと言われたので、答えを用意してたので、僕はこう答えました。
「介護老人保健施設は、リハビリを行い、自宅復帰することを目指しますが、私はもっと長期間に渡ってお年寄りと関わりたいと思いました。特養はお看取りがあり『最期までお世話をさせていただく』というイメージがあり、そういう仕事がしたいと思ったのが、応募させていただいた理由になります」
面接では、その他にも「今も野球をやっているので、体力には自信があります」とか「これまで長時間の立ち仕事を経験してきたので、肉体労働は任せてください」など、若さと体力をアピールしました。
面接の最後に施設長から「元気があっていいですね」と言われたので、「これは受かるかも」と思ったら、合格しました。
就職するならどんな施設形態がおすすめ?
介護の資格がなく、介護の経験もない人が就職するなら、おすすめの介護施設は、ズバリ特養ですね。
僕自身も今勤めている特別養護老人ホームですが、特養が良いのは、他の介護施設よりもスタッフが沢山いて、色々な人が教えてくれることです。
僕の職場には介護以外にも看護師さんもいて、とても厳しいのですが、指導は的確でとても勉強になります。
あと、同世代の同僚がいるのも励みになります。
介護の世界は50代、60代の女性もバリバリ現役で働いていますが、やっぱり会話が合わないというか…同年代の人が少しでもいると気が楽ですね。
若い同僚がいれば、飲みに行ったり、バーベキューしたりと、遊びも充実しますし、仕事面でも、特養は介護のすべてを学ぶことができます。
特養は、軽度の方の介護から重度の方の介護まで経験でき、レクリエーションやお看取りといった「大きな仕事」にも携わることができます。
また、特養以外にも介護老人保健施設もスタッフが多いので、無資格未経験者から就職するには良いかもしれません。
どんなところに就職すればいいのか分からない人も沢山いるでしょうが、施設選びは「働く介護スタッフの多さ」に注目すると、初心者でも働きやすい介護施設に就職できると思います。
まずは、特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの人数の多いところを中心に求人を探し、先輩からしっかり指導を受けられるところを選んでください。
介護業界へ就職・転職を考える人にアドバイス
介護業界は、今とにかく人手不足なので、無資格未経験者でも歓迎してくれる状態にあります。
経験者は勿論優遇されるのには違いはありませんが、未経験だから、資格が無いから求人が無いわけではないのです。
どうしようか悩んでいるのであれば、まずは色んな人に相談してみると良いんじゃないでしょうか?
介護求人サイトはその1つで、介護業界の求人のみを取り扱っているので、担当者は介護業界について詳しい人がとても多いです。
施設を見学させてもらうだけでも、ある程度仕事の想像ができるので、求人サイトを通して施設見学をお願いしてみるのもいいんじゃないかと思います。
あと、資格よりも重要なのは、お年寄りへの優しい気持ちと体力です。
「介護は専門職だから」と知識不足で就職・転職を躊躇する人もいますが、ノウハウに関しては二の次という認識で問題ありません。
うちの施設長も「資格は後から取らせることができるけど、職員の心と体を修正するのは難しい」と言ってたので、経験がなくてもやる気だけはあるなら、是非この世界に飛び込んできてください。
check→一番楽な介護施設はなに?