訪問介護の登録ヘルパーを辞めたいという声をよく耳にします。
訪問介護の仕事は、利用者宅では基本的にすべての業務を一人でこなす必要があり、一人でできるから気楽という人もいますが、中には大変、辛いという声も多いのです。
この記事では、登録ヘルパーで働いた経験のある人に、「どんな理由で退職を考えるのか?」をリアルな声を聞いて調査したものを紹介しています。
同じ業界で働く介護士がどのような理由で退職を考えるのか?ご自身の職場と照らし合わせて考えてみてください。
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訪問介護の登録ヘルパーを辞めたいと思う理由を10人に聞いてみた
汚い、臭い部屋への訪問
訪問介護の仕事をしていて、一番仕事が嫌になるのは、とても汚い部屋へ訪問した時です。
高齢者の一人暮らし(特に男性)は本当に悲惨で、お風呂場など黒カビだらけで床はヌルヌルでとても見れるようなものではありません。
しかし、嫌とも言えず、その中に裸足で入って入浴介助をしなければならないのです。。これは私にとっては耐えがたい苦痛です。
待機時間がある
常勤ヘルパーではなく、登録ヘルパーとして働いていると、朝1件、夕方1件などの日もあり、一番働きたい昼間に仕事が少ない日も多々あります。
待機時間も時給がつけばいいのですが、移動手当は出ても、待機時間のお給料は一切出ません。
自宅近くなら、時間が空いてもそんなに苦じゃありませんが、変に2、3時間、間が空いてたり、長時間空いてると「仕事するぞ!」という気持ちに切り替えるのも一苦労ですし、何より気持ちがだらけてしまいます。
キャンセルと月々の収入の目安の立てにくさ
老人介護の訪問だけの事業所ならまた違うかもしれませんが、私のいた事業所は、病院への通院など、単発の仕事が多く、月にどのくらいの仕事量になるか予定表を貰うまで分かりません。
そして、頭を悩ませるのが「キャンセルの多さ」です。
キャンセルが入ると、働きたいと思っていても働くこともできませんし、「今月どのくらいの収入になるのか?」の収入目安が立てにくいのも登録ヘルパーのデメリットです。
希望の時間より遅い時間に働かされる
訪問介護を選んだ理由は「子供が幼いので、働ける時間に制限があり、働ける時間の範囲で仕事ができる」と思ったからです。
ですが、実際には入れるヘルパーが少ない時間帯に仕事が多く、「16時まで」と決めて入れてもらったはずが、どんどん夜働かなくてはいけなくなっていきました。
介護者のニーズを考えると仕方のないことなんでしょうが、自分が働きたい時間に仕事を入れてほしいと思います。
ヘルパーを見下す利用者や家族がいる
ヘルパーを見下すような態度を取る利用者や家族のところに訪問するのは最悪。それだけで落ち込みます。
体の自由がきかない人もいるので、不満が出る気持ちは理解していますが、まるで自分が雇った女中かのように、ヘルパーに対し顎で指図をするような人が実際にいるのです。
介護高齢者は、たった1割しか負担していないのに、なぜヘルパーにそのような失礼な態度が取れるのか、本当に不愉快です。
高齢者男性からのセクハラ
私が一人で男性の自宅を担当していた時に起きたエピソードです。
男性のご年齢は70歳代。本来ならまだまだ元気に畑仕事などを行っている年齢です。
しかし、その高齢者は少し引きこもりがちの人で、自宅で孤独死しないかと心配でした。
なので、私は頻繁に声をかけるように意識していたのですが、ある日、玄関先から声をかけると、ゆっくりとした動きで姿を現したおじいさんは、急に私の身体に抱きついてきたのです。
慌てて振りほどきましたが、今でもトラウマで吐き気がする出来事でした。。気が滅入る前に本気でやめようと悩んでいます。
痴呆のある高齢者男性からのセクハラ
訪問先で、痴呆のあるご主人と、奥さんとの二人暮らしの方がいます。
その痴呆のあるご主人が私のお尻を触ってくることがあるんです。もちろん奥さんの見ていないところで。
よくあるといえば、よくあることなので、手で優しく振り払うのですが、結構しつこいんです。
私も訪問先を失うと収入が減ってしまうので、事業者には言い出せずにいます。はずれの訪問先に当たると、本当に辞めようかと考えてしまいます。
利用者に怒鳴られる
冬場、初めて訪問したその方は、どのヘルパーも「NO」を出し、もう私しか行く人がいないという噂の利用者でした。
初めて訪問した日に、「灯油をストーブに入れてほしい」と頼まれ、引き受けたところ、灯油ポンプを触ると見たこともない機械式のポンプ。
手間取っていると「もういい!!お前はよくそんなので仕事が務まるな!!!」と突発的に怒鳴られ、嫌な思いをしました。
困った時に一人で解決する必要がある
ある日、訪問すると、大量の便を体に擦り付けてまっていた利用者様がおられました。
到着後30分で、デイの送り出しの時間です。
普段なら着替えなどをして出かけるだけなので、時間には確実に間に合いますが、その日は大量に付いた体の便をふき取り、着替えさせて、やっとの思いで送り出し、その後は大量の洗濯を頑張りました。
介護施設内で働いている場合、ここまで発見が遅れることはありません。
何故なら、頻繁に部屋へ行ったり、見守ることができますし、もしも、このような状態を発見すれば、他のスタッフに「来て!」と、助けを求めて皆で作業を手分けすることができます。
ですが、訪問介護の場合は一人で解決することが求められます。新人ヘルパーの時にこんな想定外の事態に直面すると、辞めたいと思うのは当然でしょう。
この業界は圧倒的な人手不足
訪問介護を始めて、数年経ちますが、まず第一に人手がまったく足りないという現実を知ってほしいです。
人手が足りなくなると従業員の負担が増えます。ですが、給料は増えない悪循環に陥っており、転職先が見つかり次第、今の職場を辞めたいと思っています。
肉体的、精神的ストレスもかなり大変で、中には自殺する人までいると聞くので、心のケアを含めた対策が必要なんじゃないでしょうか。
ここまでの意見を整理すると
- 汚い、臭い部屋への訪問
- 待機時間
- キャンセルが多い
- 月々の収入目安が立てにくい
- 希望してる時間以外を頼まれる
- ヘルパーを見下す利用者や家族がいる
- 高齢者男性からのセクハラ
- 利用者に怒鳴られる
- 困った時に一人で解決する必要がある
- 訪問介護は圧倒的な人手不足
このように訪問介護の仕事に対して不満を抱えているヘルパーは非常に多いのです。
また、上記の意見の他にも
- 寝たきりのおむつ交換交換が腰に負担がかかる
- 便が服に付着する
- 高齢者の言葉が聞き取りにくい
- 自由度が高い働き方だけど、満足できる収入にはならない
このような意見もありました。このような理由で退職・転職を考えるのです。
訪問介護の仕事を辞めるなら「退職・転職のリスク」を考える
本格的に辞めたいと思っているなら、退職・転職に伴うリスクを把握しておくことも大切です。
例えば、転職を検討する場合、転職先が決まっていないまま仕事がなくなるのは収入が途絶えてしまうリスクがあるので、なるべく転職先は退職する前に決めておくことが重要です。
ですが、転職すれば100%今の状況が改善されるとは限りません。
転職には「訪問介護から異業種への転職」「訪問介護から施設介護職員」など、色々なパターンがありますが、どんな職業・職場に移っても、「転職してみたら思っていたのとなんか違っていた」という問題に直面する可能性もあることを理解して、転職に臨むようにしましょう。
辞める前にやっておくべきこと厳選3つ
ライフスタイルのイメージとは「給与、勤務時間、休日、勤務地、待遇」などの各種条件の決定です。
転職先でどんな仕事をするのか?イメージが付く仕事を探しましょう。
2 介護という専門分野で成長していくには資格取得が必須です。
介護職員初任者研修はお持ちの人も多いと思いますが、実務者研修、介護福祉士、ケアマネージャー、社会福祉士などの資格取得に努めておくことをおすすめします。
3 もしも退職・転職することに対して迷いがあるなら、同業の友人、信頼できる先輩、親や友人に相談してみましょう。
あなたのことをよく知ってる人のアドバイスであればあなた自身もアドバイスを聞き入れやすいですし、誰かに話を聞いてもらうだけで気分が晴れることもあるので、相談するというのを忘れずに。
嫌いな仕事を好きになるのは難しい
「嫌いな仕事でも続けていれば好きになることもある。」
こういう考え方もありますが、合わない時は、どう改善しようとしても無理です。
嫌な仕事を続けることの方が精神的負担が大きいので、不満が爆発しそうなら、この機会に転職をちゃんと検討してみましょう。
【訪問介護の仕事・収入に不満がある】なら介護施設への転職がおすすめ
「待機時間がお金にならない、月収が5万円にも満たない」
「一人での業務に不安がある」
「登録ヘルパーという不安定な仕事はもうこりごり」
少しでもこのように感じているなら、訪問介護は今すぐ辞めて介護施設の仕事に転職をするべきです。
登録ヘルパーの仕事は一見自由度が高く、時給も良いので(※特に身体介護)、何となく続けている人も多いと思いますが、給料を安定させたいなら介護施設の方が圧倒的に有利です。
私が介護施設への転職をすすめる理由は下記の5つです。
理由1 無駄な待機時間がない
例えば、介護施設のお仕事であれば、パートでも無駄な待機時間を作ることもありませんし、月のシフトが出れば、その月の給料がいくらになるか?確実に把握することができます。
理由2 施設経営をしているところの方が、経営が安定している事業者が多い
小さな個人が運営する訪問介護事業所よりも、介護施設を建てる力のあるところの方が確実にお金があります。潰れるかもしれないようなところで働いているなら今すぐ転職しよう。
理由3 夜勤があるから給料はその分上がりやすい
訪問介護にも夜間に介護サービスを行う事業者はありますが、そこまで多くはありません。ですが、入所施設の場合は基本的に夜勤を伴うので、「夜勤手当」が付く分、給料は確実に良いです。
また、夜勤なしの選択もできるので、小さなお子さんがいる場合は日勤のみで働くことも可能です。
理由4 毎日、同じ場所に出勤でよくなる
介護施設に転職すれば、毎日同じところに出勤するようになるので、スケジュールなどを細かく把握する必要が無いので楽です。
理由5 近くに仲間がいるので助け合える、介護スキルアップにつながる
最も違うのは一人で仕事をする訪問介護の仕事と違って、施設の場合は沢山の介護士と関わり合いながら仕事をすることになります。
もし、あなたがミスをしても助けてくれる人が近くにいる、こう思えるだけでも気持ちの持ちようが違ってきます。
また、介護施設で経験を積んだ方が、他の人の介護を学べるので、大幅なスキルアップにもなるなど、介護施設で働くメリットは大きいのです。
もちろん、訪問介護でもスキルアップはできますが、色々な人からの学びが少ないなど、訪問介護は偏った考え方や介護になりがちです。
ですが、介護施設であれば、同僚も近くにいるので、仕事のモチベーションアップにもなりますし、他の人の介護を見ることで、様々な学びがあることは事実です。
また、初任者研修の資格をお持ちであれば、正社員として転職するのもそう難しくはありません。
もしも、今のあなたが訪問介護の仕事を辞めたいと思い悩んでいるなら施設で働く仕事を探してみてはいかがでしょうか?
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