販売や事務など、介護とは全く違った業種から転職される方も高齢化社会になるにつれ年々増えてきていますね。
これは、介護業界の慢性的な人手不足を懸念して、国が人材募集や育成、資格などに力を入れているからです。
ただ、現状を見る限り、思ったようには人材は集まってはいないのですが、それでも介護の仕事は求人数も多く、未経験からでも始められるので異業種からどんどん転職してきます。
ただ、長く続かない人が非常に多い・・一昔前よりは離職率も落ち着いてはきていますが、他のお仕事と比べれば介護職というのは数字を見る限り、やはり辞めていく人が多いのも事実なのです。
異業種から介護へ転職するも・・
介護などのサービス業とは全く違う異業種から介護に転職される方もいますが、どうして辞めてしまう人がこんなにも多いのでしょうか?
介護職員として「高齢者のお手伝いをしたい!」「人の支えになりたい」という志を持って入職される方は、少しくらい仕事が辛くても続けられますが、どんなに志高く入ってきても、「えっ!?」と思うような事も現場では多々あるので、入職前とのギャップに耐えられず退職していく人も少なくないのです。
そしてその他の理由として挙げられるのが「介護が第一希望ではなかった」という事です。
例えば、第一希望には「お役所関係の仕事」を希望していたけど、どこも不採用で就職できない・・
そんな時に「介護なら求人も多いし、経験が無くても採用してもらえるよ!」という話を耳にしたので応募・・そんな理由から業界に入ってくる人もいるのです。
こういった方たちにとっては就職先が無かったから転職してきたわけなので、上司から注意されるなど少しでも嫌な事を言われたり、利用者さんの排泄物を処理するのがきつい・・と、思っていた仕事と違うからという理由で早期に辞めてしまうケースもかなり多いのです。
そこで、異業種から介護へ転職してきた際によくある事例を少しご紹介させていただきます。
利用者対応が予想以上に大変
初めての介護で先輩に指導を受けながら食事や排泄の介助。
慣れてきたら何とも思わないのですが、異業種からの転職で、更には介護自体が初めてとなると結構きついものがありますよね。
先輩介護士は「うえっ」って思うような仕事もサクッと終わらせて「はい次~」という感じで何でも進めていきますが、まだ転職したばかりの頃だと「こんなのずっとやるの!?」と嫌になって1カ月持たずに辞めてしまう人も少なくないのです。
特に要介護度が高く、認知症の利用者が多い介護施設の勤務だと、最初の内はかなり苦労するんじゃないでしょうか。
交代勤務で体調を崩す
以前の職場は日勤だけで、そこにプラスして残業があるくらいなものだったけど、介護に転職してきたら必ずと言っていいほど夜勤勤務が付いて回ります。
最初の内は夜に働いて、普段仕事してる時間帯に遊べる!とウキウキしていたら、段々続けていく内に馴れない交代勤務で勤務中に睡魔が襲ってくるなど睡眠不足になったり、風邪を引くなど体調を崩してしまう方も少なくありません。
まだ20代や30代前半と比較的若い年齢なら、交代勤務もそこまで疲れないと思いますが、これが30代後半や40代以上で初めての夜勤となると、気力はあっても体がついていけずに体調を壊してしまう方もいるのです。
早朝やお昼からのシフト制ならまだしも、夜間帯の勤務というのは合う合わないがあるのです。
中高年の介護転職のポイント
給料安いとは分かってたけど・・
そして異業種からの転職者でも、やはり多くなるのが給料の悩みです。
給与は他の仕事と比べると高くはない、というのは誰もが知って応募していますが、それでも実際に働き出してみると「こんな給料じゃ割が合わないよ」と思っていた以上にきつい仕事だったと痛感させられるそうです。
これで給与が高ければそこまで退職者も出ないと思いますが、未経験からの転職になるので大概は試用期間を設けられていますし、条件は良くはない。
施設によって違いはありますが、安いところなら月収で14万程にしかなりませんし、そこから諸々引かれて手取りとなると、受け取れる金額はごくわずかです・・
介護の仕事はボランティアでできるほど楽な仕事ではありません。
やはり働く以上はそれなりの対価を得たい!と思うのが人間です。
それが介護の仕事では叶いそうにないからと辞めていってしまうのです。
介護職は受け口は広い。ただ長く続けられるのは一部
確かに介護人口の増加で介護施設もどんどん建設されていき、求人数も豊富にありますが、たとえ未経験から出来る仕事だとは言っても、介護職は専門的な知識や技術が要る職種です。
未経験からも働く事が可能なので異業種からの転職者が多く、今続けられている人もほとんどが元は違った職種からの転職にはなりますが、長期的な視点からすると続けられるのは一握りの人でしょう。
どんな人が介護の仕事を続けられるのでしょうか?
信念を持って働けている人、給与が高くて満足しているから続けられてる人、職場の人間に恵まれてるなど、色々あると思います。
多種多様な理由があるので、一概にどんな人が続けられるのか?明確な答えはありませんが、人間関係や待遇面に満足して働ける職場というのが非常に重要だと思っています。
どんなに好きでも職場の人間関係に恵まれなければ続けるのは難しいです。
生活が困窮するほど給与が低かったら続けるのは困難です。
3ヶ月続けられたら半年。
半年続けられたら1年。
1年続けられたら3年と、一段ずつ階段を踏みしめながら登って行ってくださいね。