
介護施設と聞くと「キツイ」「しんどい」「忙しい」というイメージがありませんか?
その通り、介護は日常生活を一人で送ることが困難な高齢者のケアを行う仕事なので確かに仕事はキツイかもしれません。
ですが、その常識を覆す楽な介護施設というものも実際に存在しており、しかもそれは就職前の下調べ段階で把握しておくことができるのです。
この記事では、とにかく楽な介護職として働きたい人のために、どのような点に着目すべきか大切なポイントを紹介しているので、参考にしてください。
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楽で暇な介護施設なんて実際に存在するものなの?
多数存在する介護施設の中で「楽で暇な介護施設」というのも実は存在しています。
情報番組などではよく「介護職は忙しい、大変、重労働」という悪い部分だけがピックアップされています。
身体的・精神的に重労働であるというのは事実ですが、それだけが介護施設の実態ではありません。
「楽で暇な」というと「介護のような対人援助でそんなはずあるわけない」と思われるかもしれません。
ですが、きちんと下調べをして介護制度を理解していれば、必ず「楽で暇な介護職の仕事」に巡り合うことができるのです。
そのために大切な3つのポイントを紹介します。
介護が楽な介護施設の見つけ方|着目するポイントはココ
① 要介護度・要支援によって介護の負担が違う
「要介護度・要支援」というのは、日常生活を送る上でどのような介護サービスが必要なのかを示す尺度で「7段階」に分けられます。
要支援1~2の場合は、身体の状態が悪くならないようにするための「介護予防サービス」を利用することになります。
要介護度1~5の場合は、自立した暮らしができるよう「介護サービス」を利用することになります。
つまり、要支援1が一番軽度な状態で、要介護度5が一番重度、いわゆる「寝たきりの状態」ということです。
━━介護施設別で利用者の平均介護度
介護サービス | 利用者の平均介護度 |
デイサービス | 要介護度2.22 |
デイケア | 要介護度2.22 |
老人保健施設 | 要介護度3.27 |
特別養護老人ホーム | 要介護度3.86 |
小規模多機能 | 要介護度3.05 |
グループホーム | 要介護度3.75 |
訪問介護(ヘルパー) | 要介護度2.48 |
※全国の平均利用者介護度で公的なデータがないため、(参考「かいごDB)に登録されている介護施設の中から、各介護サービスの平均介護度を出しています。
この表で分かるのは、まず「特別養護老人ホーム」は、楽で暇な仕事からは、かけ離れているということです。
特別養護老人ホームの場合は、入所できる利用者の要介護度が「3」以上であることが条件なので、平均介護度は必然的に3以上となります。
平均介護度別に統計を出すと、やはり在宅生活者が利用する「デイサービス、デイケア、訪問介護」の平均介護度が低いことが分かります。
② 施設利用者の定員に注目
どの施設でも「この人数までの利用者を受け入れることができますよ」といった「定員」というものがあります。
その施設の定員数が多ければ多いほど、職員を多く採用しなければなりません。
ですが、介護士不足が深刻化している今、たくさんの介護士を採用するというのは困難で、利用者の人数に応じた職員数が確保できていない施設が多く存在しています。
特別養護老人ホームでは定員が30名という施設もあれば、定員120名という規模が大きい施設も存在します。
さすがに100名を超える施設は、利用者数が多すぎるので体力的にも精神的にもキツイです。
介護職の給料は施設によって大きな差があるわけではありません。
ならば、利用者数の少ない介護施設を選ぶに越したことはありませんよね。
「介護サービス情報公開システム」では、日本各地にある介護施設の定員数を調べることができます。
できるだけ小規模な施設を選ぶ参考に調べてみて下さい。
③ 夜勤で仮眠時間がしっかり取れるか?
夜勤で仮眠時間がしっかりとれるかどうかで夜勤時の身体的・精神的疲労が全く違います。
ひっきりなしになるコールに、止まらない利用者からの訴え、そして徘徊、転倒…。
このような夜勤を、仮眠もなく夜通し働くなんてことはまずあり得ません。
ですが、そのような環境下で介護士に夜勤をさせている施設も存在しているのです。
夜勤で仮眠時間がしっかり取れるかどうか調べるために一番重要なのは「夜間帯の職員配置人数」です。
例えば、特別養護老人ホームでは「利用者25名に対し、職員1名の配置」と、法律で定められています。
入所者が40名いれば、職員の配置人数は「最低2名」ということになります。
ですが、職員の人員が潤っている施設では2名のところを3名で見ている場合もあります。
逆に、法律に反することになりますが、2名で見ないといけないところを1名で見ている場合もあります。
当然、職員の人数が多ければ多いほど、ナースコールや徘徊者に対しての対応が職員の人数分「分割」されることになるので、職員配置人数の違いによって、身体的・精神的疲労に大きな差があります。
これから就職先を探す上で、夜勤ありの施設で働く場合は
- 「利用者は何名なのか?」
- 「夜勤の時の職員の人数は?」
ということを施設側に尋ねてみて下さい。
こんな施設は要注意!応募を控えたほうが良い介護施設
① 常に求人を募集している介護事業所
常に求人を募集している施設というのは、常に人員が不足している施設だということです。
常に人員が不足している施設に「楽で暇な」という言葉は当てはまりません。
楽で暇な施設は誰もが働きたいでしょうし、一度務めてしまえば退職者なんてよほどの理由がない限りあり得ません。
夜勤がない「デイサービス」や「デイケア」の場合でも、常に求人を募集しているような施設は常に人員不足となるような何かしらの理由があるはずです。
なので、常に求人募集しているような施設は避けた方が良いでしょう。
② 運営する介護サービスが多数ある|大規模施設
1つの施設が、特養・ユニット・デイサービス・グループホーム・小規模多機能などの多数の介護サービスを運営している場合、ほぼ100%の確率で部署異動というものがあります。
部署を異動することによって、さらなる専門性を養うことができるメリットがあります。
ですが、部署異動というのは、また一から上司や同僚と人間関係を作らないといけないですし、利用者もガラッと変わることになるので全利用者の情報を一から頭に叩き込まなければならないのです。
デイサービスならばデイサービスのみ、特養なら特養のみと一つの事業所が運営する介護サービスが一つである施設ならば、部署異動のしようがないので務めてしまえば永遠にそのまま、ということになります。
このような理由から、異動の多い施設は止めておいた方が良いでしょう。
楽で暇な介護施設おすすめランキングBEST3
1位 デイサービス・デイケア
【施設の数】★★★★★
【口コミ】★★★★★
【収入】★★☆☆☆
- 勤務時間が規則的で夜勤がない
- 介護度が低い利用者が多く身体的に楽
- 他職種よりも職員数が多く、介助する場面も少ないので手が空きやすい
2位 訪問介護
【施設の数】★★★★☆
【口コミ】★★★★☆
【収入】★★★☆☆
- 1対1での介護となるので身体的に楽
- 在宅生活者が利用する介護サービスなので比較的自立した人が多い
- 職員間の人間関係トラブルが他施設よりも少ない
3位 グループホーム
【施設の数】★★★★☆
【口コミ】★★★★☆
【収入】★★★☆☆
- 少ない利用者に対してチームでケアするため身体的負担が少ない
- 施設が広くないので見守りしやすく移動が楽
楽な施設に勤めることで「介護に対する思い」が大きく変わる
楽で暇な施設についての解説をしましたが、あくまでも介護は対人援助なので一日中ボーっとできるということはありません。
介護施設の中でも「楽」であり「暇」である、ということです。
とは言え、施設によって身体的・精神的負担に本当に大きな差があります。
そのような介護施設によって生まれる特徴をきちんと把握してリサーチするか、しないかで、「介護は楽しい」と思うか「介護はキツくて本当に嫌!」と思うのか、介護に対する思いに大きな差が生まれます。
先ほど解説した「仕事が楽な介護施設の見つけ方」の3つのポイントを職場選びの参考にしてみて下さい。
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