介護職のお給料が安い、労働環境が悪いなどといった将来不安の理由から、介護職を辞めて他の業種へ転職しようとする人も少なくありません。
介護業界を辞めたいけど、介護の資格しか持っていない、他での仕事を経験したことがないといった場合は他業種への転職は厳しいことが多いです。
他の職種への転職は年齢的な問題などもありますが、介護職は女性が多い職場ですし、全体的に見ると若い新卒者に近い人以外は圧倒的に就職できる確率は低くなります。
女性の社会進出が取り沙汰されていますが、今は就職難の時代ということもあり、まだまだ女性に対するものは少し厳しい印象です。
辞めてどこで働くの?意外に少ないよ
介護職の経験を活かして他の仕事に就きたいと思われる方も多いと思いますが、未経験の場合は就職口も限られてきます。
仕事がある程度見つかりやすい職種としては接客、販売、営業職くらいじゃないでしょうか?
パートなどで働こうと思っているのならそれほど問題ではありませんが、正社員として働きたい場合は他の職種へ転職できたとしても続けていくのは難しいです。
例えば、飲食やアパレルなどの接客業は若い内は良いでしょうが、特にアパレル業界なんてけっこう上の年代の方って少ないように、定年まで続けていくのは難しい場合が多いです。
また、飲食業も某居酒屋がブラック企業と呼ばれているように、従業員の心や体を壊させるまで仕事をさせられているところも少なくはありません。
そして、営業職の場合は頑張った成果次第では、かなり稼ぐことも可能ですが、結果を常に求められるので、仕事が出来なければ会社に居辛くなり、退職せざるをえません。
介護職が他の業界と決定的に異なる点
介護の場合は従業員に会社の利益を求められるようなことってほとんどありませんが、他の職種の場合は、多くの会社が利益を出すことを求められます。
これができなければ、企業によってはクビを切られ、リストラされることもあるくらいです。
介護職が厳しい、辛いと思っていても、実は他の職種もかなり厳しいんです。
正直言って、楽な仕事なんて無いと思ってください。
介護職の方が他業種へ転職されるのは、未経験では正直厳しいです。
例えば、女性を中心に人気が高い事務職
事務などのオフィスワークへの転職は、介護職員時代に培ったワードやエクセルなどのパソコンのスキルを持っていたとしても、事務職の求人は倍率も高く、人気が高いので、転職はそう簡単ではありません。
倍率が高いということは、逆を言えば、それだけ採用される確率も低いということですし、「ほとんど未経験のあなた」と「実務経験がある他の人」のどちらを選ぶかと言ったら、間違いなく経験者の方を採用するでしょう。
つまり、このように未経験で介護以外の仕事の経験がない場合は、他職種への転職は厳しくなるのです。
他の業種に転職するより同業他社で仕事を探したほうが賢明
今の職場に不満があるなら、経験したことのない他業種へ転職するんじゃなく、給料が高く、仕事内容が今よりもきつくなさそうといった、今の職場より条件が良い職場に転職した方が、他業種に転職するよりも有利に転職活動を進めることができます。
当たり前のことかもしれませんが、経験がない職種への転職の方がよっぽどリスクが高いです。
今の会社が薄給で休みがないと嘆く前に、もっと待遇が良い介護サービス施設、事業所への転職を考えた方が良いんじゃないでしょうか?
その他にも現場が嫌なら、仕事をしながら介護事務などの資格を取れば、デスクワークで介護業界を支えることもできますし、会計の資格があれば介護業界では様々な将来の可能性も出てきます。
現実問題として経営状態が悪い施設なんて沢山あるので、そういった施設に対し、経営コンサルや会計指導などの需要もこれからは増えてくるでしょう。
全く未経験の他業種へ下手に移ってしまうよりも、今より条件が良い他の介護施設に移ることや、介護の仕事プラスαの資格を使って仕事をする方が賢明だと思います。
これから先、何十年先も需要があり、長く続けられる、雇用があるといった意味でも介護業界というのは悪くはありません。
ですが、長期間に渡って、生涯生活を安定させるには「ある程度のお給料が貰える」「それほど体力的に困難でない」など職員への待遇面がしっかりした事業所で働くのが、かなり重要になります。
「薄給だ!」「きつい!」「激務!」と、施設の不満を漏らし、介護職から転職を考えるくらいなら、まずは今よりも条件良く採用してもらえる、他の事業所を探す方が賢明なんじゃないでしょうか。
ーーーーーーーーーーーーー
【追記あり】↓
※ここからは真剣に退職を考えていない人が読んでも、あまりメリットはありません。
ですが、本気で転職を考えている人には、きっと私からのメッセージが伝わるんじゃないかと思います。どれか1つでもお役に立てることがあれば嬉しく思います。
介護転職に失敗しないためにこれだけはやっておく
反響大きかったので、介護業界での転職に成功するためにここだけは押さえておこうというポイントを5つ紹介します。
1 頭の中を整理して「やりたいこと」「やりたくないこと」「やってみたいこと」を明確にする
転職を希望される理由が、「キャリアアップ」「やりたいことがある」など、ポジティブなものなら問題ありませんが、転職したい理由が「辛い」「きつい」「辞めたい」など、ネガティブなものだと、少し感情的になっている可能性があるので、頭を一旦冷やす意味も込めて、「自分が本当に何がしたいのか?」を考え直してみると良いでしょう。
何がしたいのか?は、「やりたいこと」「やりたくないこと」「やってみたいこと」の3点に焦点を当てると、自分が本当にやりたいことが明確になってきます。
とりあえず漠然と転職活動を行うでも、行動と同時に頭の中を整理していけば問題ありませんが、転職活動というのは、急いでやるものではないので、「まずは方向性を固めてから」でも遅くはありません。
2 目先のお金(給与、ボーナス、時給)だけにフォーカスせず、「やりがい」など、長期的なキャリア形成を意識
介護の場合は全職業の平均給与の水準から見ても低く、「給料が少ないから辞めたい」という不満の声が多数あがっているのは事実ですが、転職の目的は、お金以外の「+α」の目標も持つべきです。
お金だけを目的にしていると、あなたがその次に転職する時も、きっとお金の悩みによるもので、永遠にそのループから抜け出せなくなります。
これは、「介護から→介護」「介護から→異業種への転職」でも同じことが言えます。
もちろん生活する上で、最低限のお金が必要なのは当たり前ですが、仕事というのは1日の3分の1以上もの時間を費やしているので、やりがいが持てたり、働きやすい職場だったり、常に挑戦し続けれる仕事など、目先のお金、人間関係の解消などだけに左右されず、長期的な視点で考えて行動するべきです。
3 施設見学は必ずする
就職先・転職先を決定する前には、必ず施設の職場見学をさせてもらうようにしましょう。
「これからどんなところで働くことになるのか?」
事前に自分の目で見て確認してから転職先を決めた方が安全です。
視覚で伝わる情報ってすごく多いので、「最終判断は必ず施設見学をしてからが鉄則」です。
4 介護求人サイトは必要か?→【結論】使った方がいい
求人サイトでは、どんなことができるかご存知ですか?
求人情報の閲覧・紹介だけでなく、職場の内情を聞けたり、施設見学、給与交渉など、転職に失敗しないために、介護転職のプロがあなたの転職活動をサポートしてくれるので、条件の良い職場や、自分に合う介護施設に転職したいと考えているなら、使った方が良いです。
給与や勤務時間帯の交渉まで全て自分でできるという方なら、活用されなくても良いとは思いますが、掲載している介護求人の数が一般の求人媒体よりも多いですし、求人閲覧のサービスだけでも、利用した方が圧倒的に有利な転職活動を行えます。
ですが、「登録するのがめんどくさいんだよな。。」というような意識の低い発言しか出てこない方は、転職自体を控えた方が良いでしょう。
私は「口では変わりたいと言うけど、何も変われない、変わろうとしない」そんな人を沢山見てきましたが、結論としては、やはり自分自身で変わりたいと心から思っている人しか行動できないのでしょう。
ですが、今の現状を変えたいと本心で思っているなら、何かしら一歩前に進むための行動が必要なんじゃないでしょうか。
5 求人サイトは「とりあえず沢山登録すればOK」は合ってるようで間違い
どれも登録・利用は無料なので、10サイト、20サイトなどと登録数を増やし、求人情報を探すというのも、厳密に言えば間違いではありませんが、おすすめはしません。
何故なら、希望する雇用形態や勤務形態、勤務条件などは、人それぞれ違いますし、とりあえず目についた転職サイトを片っ端から登録しても、「あなたが欲しい求人を掲載していないサイト」に登録しても全く意味がないからです。
特に介護の場合は、派遣でのお仕事を探しているのに、その求人サイトには「人材派遣の仕事はほとんど掲載されてなかった」というケースもありますし、「自分の住んでいる地域の求人はほぼ掲載されてなかった」なんて事もあるのです。
つまり、闇雲に登録するよりも、目的に合った求人サイト「3つ」程度に絞って登録することがポイントになります。
※【おすすめの介護求人サイトの紹介と活用術】↓
求人サイト | スマイルサポート介護 |
---|---|
おすすめ | ★★★★★ |
対応エリア | 全国 |
掲載求人数 | 約81000件 |
資格 | 有資格者におすすめ |
勤務形態 | 正社員、派遣フルタイム、派遣扶養内、 紹介予定派遣、紹介予定派遣扶養内、契約社員、 パートフルタイム、パート扶養内、全てOK |
施設形態 | 特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、介護保険施設 サービス付高齢者向け住宅、ケアハウス、ショートステイ グループホーム、デイサービス、居宅支援事業所 医療施設・病院、訪問介護、地域包括支援センターなど |
運営会社 | HITOWAキャリアサポート株式会社 |
求人サイト | スタッフサービスメディカル |
---|---|
おすすめ | ★★★★★ |
対応エリア | 全国(※沖縄以外) |
掲載求人数 | 約42000件 |
資格 | 無資格OK |
勤務形態 | 派遣社員、紹介予定派遣、無期雇用派遣 正社員、契約社員、パート・アルバイト |
施設形態 | 特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、介護保険施設 サービス付高齢者向け住宅、ケアハウス、ショートステイ グループホーム、デイサービス、居宅支援事業所 医療施設・病院、訪問介護、地域包括支援センターなど |
運営会社 | 株式会社スタッフサービス メディカル事業本部 |
求人サイト | マイナビ介護職 |
---|---|
おすすめ | ★★★★ |
地域 | 【関東】東京・神奈川・千葉・埼玉・群馬・栃木・茨城 【中部】岐阜・静岡・愛知 【関西】京都・大阪・兵庫 |
資格 | 【介護資格保有者におすすめ】
介護福祉士、ケアマネージャー、社会福祉士、社会福祉士主事 |
勤務形態 | 正社員、契約社員・パート |
登録の流れ | 1 登録フォームより会員登録 2 担当キャリアアドバイザーから電話連絡(電話・メールもしくは面談) 3 希望条件に沿う求人を紹介 4 応募→面接対策→見学→面接→内定 |
運営会社 | 株式会社マイナビ |
求人サイト | きらケア派遣 |
---|---|
おすすめ | ★★★★ |
対応エリア | 東京・神奈川・千葉・埼玉 愛知・大阪・兵庫・福岡(※エリア拡大中) |
掲載求人数 | 約24000件 |
勤務形態 | 派遣社員、契約社員 正社員、パートアルバイト |
対象資格 | 介護福祉士 介護職員初任者研修 介護職員基礎研修 介護職員実務者研修 ホームヘルパー1級 ホームヘルパー2級 無資格者 |
運営会社 | レバレジーズ株式会社 |
※【おすすめの活用術はこちら】↓
①正社員・パートver
こちらの3つ掛け合わせがおすすめ↓
スマイルサポート介護
全国
×
スタッフサービス・メディカル
全国
直接雇用の「正社員、契約社員、パート求人」を探すなら、上記3つがおすすめ。3社の特徴としてはスマイルサポート介護は求人数約80000件近くもあり、業界大手の介護求人サイトで、1番最初に登録を考えるならまずはココ。スタッフサービスメディカルは無資格者の求人紹介に強い特徴があります。「派遣求人に強い会社」として紹介されるケースが多いですが、実は正職員募集の求人も他の転職サイトと比べて豊富。また、関東・関西・中部の地域に強いマイナビ介護職は、転職業界大手の「株式会社マイナビ」が運営する介護求人サイトで、掲載されている求人の質の評価は高いです。
まずは、全国対応のスマイルサポート介護とスタッフサービスメディカルを軸に、お住まいの地域に合わせて登録する介護求人サイトを選ぶと良いでしょう。
②介護派遣ver
こちらの3つ掛け合わせがおすすめ↓
スタッフサービス・メディカル
全国
×
きらケア 派遣
東京、神奈川、千葉、埼玉、愛知、大阪、福岡
×
スマイルサポート介護
全国
派遣・紹介予定派遣での介護の仕事をお探しなら、まずは上記3サイトを要チェック。スタッフサービスメディカルは介護派遣のみで約20000件(総求人数約42500件)の募集があり、きらケアは総求人約24000件近くもあります。ただ、きらケアは対応地域が「東京、神奈川、千葉、埼玉、愛知、大阪、福岡」と限定的。
登録される方のお住まいにもよりますが、介護派遣でのお仕事を探す場合は、スタッフサービスメディカルときらケア派遣への登録を検討して下さい。また、派遣社員から正社員を目指す「紹介予定派遣」の求人をお探しの方は、スタッフサービスメディカルとスマイルサポート介護の2サイトが紹介予定派遣の求人が多いので、こちらの2つへの登録を検討して下さい。
介護は、今後数十年先まで成長が見込まれる国からの後押しが必要な産業です。
その為、介護職員の確保・処遇改善を図るために「介護職員処遇改善加算」を厚生労働省が充足するなど、国の政策としてバックアップ体制があります。
介護職員処遇改善加算を受け、介護業界の大手企業は、軒並み賃上げを実行しており、業界全体の給料も上昇傾向にあるので、介護士の転職に追い風が吹いている”今”が見極め時です。