就職先を調べる上で、世間の評判というのはとても大切なものです。
「ブラック施設ではないか」
「人間関係がドロドロではないか」
「上司や同僚はきちんと教えてくれるのだろうか」などなど
施設の実態で気になる点というのは案外尽きないものです。
ネット社会である現代で、評判・口コミサイトというものが多く存在しますが、これらは果たして信用できる情報なのでしょうか?
介護施設や老人ホームの実態を調べるにはどうするのがベストなのかを徹底解説します。
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介護施設や老人ホームの評判や口コミを調べる方法|就職・転職希望者向け
① 5ちゃんねる(旧2ちゃんねる) おすすめ度★★☆☆☆
5ちゃんねるでは、施設に対する評判をリアルタイムに知ることができます。
現役職員や元職員が書き込んでいることが多いので、外側からは分からない施設の内情を知るためにはうってつけです。
注意すべき点としては、匿名掲示板には「サクラ」や「デマ」が紛れ込んでいる可能性があることです。
すべての人間が、施設に対して何の不満もなく働くなんてことはまず有り得ません。
悪いことは全く書いておらず、良いことばかりが書いている場合は、サクラによるものだと思ったほうが無難です。
ただし、施設に対して恨みがましい書き込みが目立つ場合は、何かしらのトラブルが実際にあった可能性を疑いましょう。
② 「施設名+評判(口コミ)」でネットで検索 おすすめ度★★☆☆☆
「施設名+評判(口コミ)」での調べ方も、2ちゃんねるとあまり変わりません。
施設の内情を知るといった意味では役立ちます。
5ちゃんねると同様で、匿名での掲示板や口コミサイトは、退職した人が何かしらのトラブルを腹いせに話を大きくして掲示板に書き込んでいる場合もあれば、事実であることもあります。
しかし、その情報が嘘か誠か判断するには非常に難しいのです。
インターネットでの評判・口コミは鵜呑みにしすぎず「こういった情報もあるんだ」程度に思っておくといいでしょう。
③ 介護施設評判検索サイト おすすめ度★★★☆☆
介護施設評判検索サイトの代表的なものとして以下のものがあります。
- LIFULL介護(旧HOME‘S介護)(https://kaigo.homes.co.jp/)
- みんなの介護(https://www.minnanokaigo.com/)
- 介護のほんね(https://www.kaigonohonne.com/)
- 老人ホームマップ(https://www.roumap.com/)
これらの介護施設評判検索サイトは、主に施設入所を考えている本人、もしくは家族が利用する検索サイトになります。
介護評判検索サイトでは、施設の外装・内装の写真が多数公開されているので、施設全体の雰囲気を知ることができます。
そして投稿されている口コミは、その施設を利用する高齢者の家族によるものなので、その施設の実態を把握するには「第三者からの視点」という意味があるので役立ちます。
しかし、このようなサイトもあくまで「匿名掲示板」であることに変わりはありません。
事実とは異なる情報が記載されている場合もあるので注意が必要です。
④ 介護求人サイト おすすめ度★★★★☆
介護求人サイトは介護施設の評判を調べるのにはうってつけです。
理由は、求人情報から分かることと、業界の事情に詳しい担当者からのアドバイスが受けられるからです。
代表的なサイト
- スマイルサポート介護(https://www.h-career-support.com/kaigo/)
- スタッフサービスメディカル(http://www.staffservice-medical.jp/)
- かいご畑(https://kaigobatake.jp/)
- きらケア(https://job.kiracare.jp/)
介護求人サイトによりブラック施設かホワイト施設か見分ける方法は、『どれくらいの期間求人をかけているのか』ということです。
離職率の低い介護施設の場合はめったに求人募集はしていません。
ですが、慢性的な人手不足が目立つ施設では、途切れることなくいつも求人をかけ続けています。
「どれくらいの期間求人がかけられているのか」に注意して検索してみると良いでしょう。これは聞くこともできます。
他には、介護求人サイトを利用することのメリットとして、施設の待遇面が分かるといったことがあります。
年収や勤務時間はもちろん、詳しいことまで記載している施設の場合は年間休日や福利厚生まで記載があります。
もし、施設見学したい場合や詳細を知りたい場合には直接施設側とやり取りをしなくても、介護求人サイトの担当者が調整してくれるので就職活動における負担を減らすことができます。
⑤ 補足・介護サービス情報公開システム おすすめ度★★★☆☆
介護施設では、1年に1回介護サービス情報を都道府県に報告しなければなりません。
報告内容は「介護サービス情報公開システム」にすべて掲載されています。
この情報は本来、利用者が介護サービスや事業所・施設を比較・検討して適切に選ぶための情報を都道府県が公表しているものですが、施設の情報を得るためには十分な役割を果たします。
「従業員情報」での項目では、施設職員の人員を把握することができますし、1年間の離職人数についても知ることができます。
合わせて「利用者情報」も見てみると、要介護度ごとの利用者人数が記載されているので、施設職員と利用者数が見合っているのか照らし合わせて見てみると良いでしょう。
介護施設や老人ホームの評判・口コミを調べる上で押さえておきたいポイント
① 上司や同僚などの人間関係はどうなっているのか
働く上で給与などの待遇面は重要ですが、それ以上に人間関係にも気を付けたほうが良いでしょう。
「介護労働安定センター 平成27年度 介護労働実態調査」によると、介護関係の仕事を辞めた理由として「職場の人間関係に問題があったため」が『25.4%』と全体理由の1位となっています。
どの企業や施設でも、仕事と人間関係は切っても切れないものです。
特に介護分野においての人間関係はチームワークひとつで利用者さんの命に関わることにも繋がりかねません。
上司や同僚の対応一つで働きやすさ・働きにくさに雲泥の差があるのは歴然です。
ただ、評判・口コミサイトだけでは得られない情報もあるかもしれません。
そのような場合は、後から説明する「評判や口コミを調べるのに合わせて施設見学を行うことが重要」の項目を参考にしてみてください。
② 月にどの程度の残業があるのか
介護業界では「サービス残業」という言葉をよく耳にします。
介護業界の残業とは「職員が業務時間内に仕事を終わらすことのできない能力不足による残業」と見なされることがあることから、残業代が出ない「サービス残業」が増えてきたと予想されています。
残業が多いことにより「ブラック施設」と評価されている施設は多数あるものです。
しかし、業務内容をきちんと見直している施設に至っては、職員の負担を減らすために残業しなくてもいいような業務内容の見直しを次々に行っています。
就職説明会に参加すると良く分かりますが、そのような施設は「残業がない」ということをアピールしています。
「介護施設は残業があって当たり前」という先入観は頭から切り離して「残業がなくて当たり前」という考えで施設探しをしてみてください。
関連記事:ブラックな介護施設の特徴や見分け方
関連記事:かなり損してませんか?介護で働く上で知っておきたい残業代のこと
③ 年収や給与水準、福利厚生など待遇面はどうなっているのか
待遇面については絶対に妥協しないことです。
初めは「仕方ないか」と思っていても、働いているうちに必ず不満になってくるものです。
例えば、年間休日が108日の施設もあれば128日の施設もあります。
20日も年間休日があるということは、丸々1か月の差があるに等しいですよね。
年間休日が多い施設というのは「有休消化」もしやすいです。
逆に年間休日が少ないまたは標準である施設は、職員が働きやすいような業務内容の見直しがなされていないということから職員が少なく、有休消化もしにくい可能性があります。
年収・給与水準は「介護労働安定センター 平成27年度 介護労働実態調査」によると月給で『217,753円』となっていますので、これを軸にして考えると良いでしょう。
介護求人サイトで調べると、給与や待遇面について詳しく記載されているので参考にすることをお勧めします。
関連記事:介護の給料・年収事情は?
評判や口コミを調べるのに合わせて施設見学を行うことが重要
『評判・口コミサイトは本当に施設で働いたことのある人によるカキコミなのか?』
ホームページ上のカキコミ・情報では、施設の雰囲気や利用者さんがどのように生活されているのかが分かりません。
信憑性も低く、得たい情報を得られない場合もあります。
もちろん、評判や口コミを検索することも大切ですが、評判を調べるのと同時に施設見学を行うことも怠らないようにしましょう。
実際に施設を見学することによって、施設内の雰囲気も分かりますし、職員がバタバタしている施設ならば人手が足りていない施設だと予測することもできます。
見学者に対して、どの職員も笑顔で挨拶してくれるような施設だと人間関係も良好である可能性が高いです。
逆に職員が見学者に対してムスッとした態度をとるような場合や、挨拶はするものの無表情である場合はあまりいい施設とは言えないでしょう。
介護士は笑顔で利用者さんに対して接することが鉄則なので、その中で笑顔で挨拶できない職員というのは介護士としての質が非常に悪い。
介護施設見学というのはこれから働く上で、いろいろなことを予測できる絶好のチャンスです。
施設選びで後悔したくないならば、絶対に行くべきです。
関連記事:介護施設の見学でするべき質問、見るべきポイント、服装は?|介護士の就職・転職向け
転職前に介護施設や老人ホームの評判・口コミを調べるメリットは?
評判や口コミサイトを検索するにあたっての注意点を解説してきましたが、ではなぜ評判や口コミを調べることが必要なのでしょうか?
仕事というのは、ただ働く、そして自分に合わなければ辞めるということが何度も通用するような世界ではありません。
働いたからには、続けないと意味がないのです。
すぐに転職してしまうような人は履歴書を見れば一目瞭然なので、いくら人手不足が深刻化されている介護施設でも、すぐに辞めてしまう可能性のある人をわざわざ採用するようなことはありません。
あなたの今後の生活に関わることなので、事前にリサーチするということはとても重要なのです。
評判や口コミを調べて明らかに恨みがましい書き込みが目立つ場合はその施設を避けることができますし、逆に評判のいい施設を探すこともできます。
そして、福利厚生などの待遇面も知ることができます。
事前リサーチというのはメリットしかありません。
そのメリットを自分のものにするか、しないかはあなた次第ということです。
事前リサーチによって今後の人生が左右される
「給料が良いから」
「自宅から近いから」
「土日休みがとれるから」
というだけで施設を選んでしまっては、後悔することになるでしょう。
まさに「後悔しても後の祭り」状態です。
「介護」というのはとてもやりがいのある仕事ですが、仕事選びを失敗して介護をマイナスイメージにしてほしくありません。
「ここで働いてよかった」「介護は大変だけど楽しい」
と思える施設に出会えるようにするには、何よりも『出だし』が肝心。
いかに調べて就職先を決定するか、というあなたの行動力が試されます。
せっかく働くならば、後悔しないためにこの記事で紹介したあらゆる方法を試してみてください。
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