
「就職・転職する前に介護施設の見学は行った方がいいの?」
「施設見学する際は、どんなことをチェックすればいいの?質問はどんなことを考えておけばいい?」
「当日はどのような服装で行ったらいい?」
就職、転職前に老人ホームや介護施設の見学を考えている人は沢山いますが、参加を目の前にして
『介護施設や老人ホームの見学はどうすればいいのか?』『見学当日はどんなことに気を付ければ良いのか?』
悩んだり迷っている方も非常に多いのではないでしょうか?
この記事では、就職・転職活動している介護士向けに、就職前に介護施設を見学しておく重要性や、用意しておくべき質問や施設でチェックすべき重要ポイントから、当日の服装・見学後のお礼状のマナーまで、介護施設の見学に関することを幅広く徹底的に解説していきます。
どのような点に着目すれば、働きやすい職場環境が整った介護施設かどうかを見分けることができるのでしょうか?
ホワイトな介護施設か?ブラックな介護施設か?働きたい施設かどうかを見抜くためにも、見学会に参加する前にチェックポイントを抑えておきましょう。
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介護施設や老人ホームの見学は必ず行くべき
「見学会は参加した方が良いの?めんどくさいし行くかちょっと迷う」
と思っている人も、もしかしたらいるかもしれません。
しかし、介護業界への入職・転職を考えているなら、施設見学は必ず行きましょう。
理由は、実際に施設を見学して自分に合うかどうかを目で見て肌で感じ、あなたのこれからを決めることが、ものすごく大切だからです。
一口に「介護施設」と言っても、特別養護老人ホーム、ディサービス、有料老人ホームなど、たくさんの施設形態・種類があります。
介護施設の形態ごとに特色があり、介護サービスも異なってくるので、そこで働く職員にとって『向き・不向き』があるのは確かです。
また、向き不向き以外にも、いわゆる「ブラックな介護施設」に就職してしまわないためにも、事前のリサーチは必ずしておくべきです。
施設を見学会に参加すると、そこで働く職員が利用者さんとどのように接しているのか?の接し方を密に見れるので、そこから職員の「心の余裕」を汲み取り「ブラックな施設」か「ホワイトな施設」か見極める判断材料にもなるのです。
関連記事:ブラックな介護施設の特徴や見分け方
就職・転職前に介護施設の見学を行うことで得られるメリット
施設見学をしないまま入職・転職してしまう方の中には、そもそも見学を行っていることすら知らない方も多いのではないでしょうか?
実は、入職前に施設を一度見学しておきたい旨を伝えれば、どこの施設でも必ず見学を行ってもらえます。
施設の雰囲気すら分からないまま採用されても、「想像していたのと違う…」「こんな職場なら応募するんじゃなかった…」となってしまっては意味がありません。
そう思った頃には時すでに遅し。入職したからには「楽しく、長く続ける」ことができる環境であることが大切です。
施設を見学するメリット
- 施設の雰囲気が自分に合っているか見ることができる
- ある程度の人間関係を把握することができる
- 職員の働く様子から、勤務状況がブラックかどうか見極められる
- 利用者さんの様子から「介護の質」が分かる
- 不安に思っていることを入職前に質問することができる
など、施設見学に参加するメリットは沢山あります。
また、施設見学で案内してくれる職員は「役職者」または「採用担当者」であることが多いです。
施設の雰囲気が自分に合っていたとしても、上司の対応一つで働きやすさ・働きにくさの差があるのは歴然なので、上司との相性を知ることも含めて、事前リサーチを行いましょう。
介護施設の就職説明会・見学会の申込方法はこの5つ
介護施設を見学するためには以下の申込方法があります。
予約申込経路・方法はこの5つ
- 電話で直接連絡する
- 施設のHPやメールフォームから申し込む
- 面接時に見学させてもらう
- 定期的に施設が開催する就職説明会の案内を見て申し込む
- 介護求人サイトの担当者に依頼して申し込んでもらう
電話で直接見学予約を申し込むという直談判も1つの方法ですが、ちょっとハードルが高いですよね…
1番楽に申込めて、お礼状などの必要もないのが「介護求人サイトの担当者に依頼して申し込んでもらう」方法です。
自分で施設へ連絡し、見学予約を入れるとなると、電話口で名前や連絡先、保有資格など様々なことを聞かれます。
見学したい施設が1つだけなら良いのですが、複数の介護施設の見学を希望する場合、電話を掛ける度に色々な質問に答えなければなりません。
しかし、介護求人サイト経由で申し込めば、見学の日程を合わせるのも担当者が手配してくれますし、あなたがどのような人物なのか(保有資格など)も、担当者が代わりに伝えてくれるので、かなり楽です。
自分で申し込む場合は、3か所、5か所と見学したい施設が増えるにつれて、やり取りにかかる時間や手間がどうしてもかかってしまいます。
ですが、介護求人サイトを通してお願いすれば、連絡や日時の調整などのやり取りも代わりに行ってもらえますし、見学後は担当者から施設側にお礼のメールを送ってくれるなど、様々な手間が省けるメリットがあるのです。
介護施設を見学する際に見るべきポイント
1 介護職員の「表情、態度、言葉がけ、配置人数、勤続年数」はどう?
施設の雰囲気というのは、そこで働く介護職員を見れば大体分かります。
介護の仕事は「重労働」だけではなく、仕事の多忙さから『自分に余裕がなくなる職業』でもあるので、職員を見ることで施設の本質が分かるのです。
例えば
施設見学に行った時、すれ違う職員にしっかりと笑顔で挨拶をされたら「いい施設」だと感じるでしょう。
しかし、無表情で挨拶をされる、または挨拶すらされなければ「ここ大丈夫?」と、不信感に繋がります。
全職員が愛想良く挨拶をきちんとできているのは、『職員の教育・指導ができている証』です。
挨拶をするのは当たり前だとは思われるかもしれません。
ですが、意外とその「当たり前」ができていない施設も多いのです。
✓ 利用者さんへの言葉かけに注視してみて
加えて、利用者に対して命令口調であったり、子ども扱いしているような言葉がけではないかも確認しておいて下さい。
利用者への言葉がけも、職員の教育・指導がきちんとなされているかの判断材料となります。
職員の教育・指導がきちんとできている施設は、過酷な介護現場ではないということでもあります。
✓ 職員配置はどうなってる?
人員配置が整っていない施設は新人指導に配置できる職員がおらず指導が雑になりがちです。
老人ホームでは、「利用者3人に対し職員1人の配置」あるいは「利用者2人に対し職員1名の配置」と、細かく決められているので、『職員が何名ホールにいたか?』を確認してお来ましょう。
✓ 職員の平均年齢や勤続年数を聞いてみよう
また、職員の年齢や勤続年数もブラックな施設を見分ける判断材料となります。
- 勤続3年未満の職員が多くいる施設
- 勤続3年未満と、勤続10年前後の職員が多くいる施設
- 勤続10年前後の職員が多くいる施設
この3つのうちの施設のどれかに当てはまるところはブラックな施設である可能性が高まります。
職員が働きやすい環境の施設ならば、勤続5年前後の「中堅職」が多く在籍しているはずです。
ですが、20代前半の新人・若手が過半数を占めるような施設や、キャリアがあるスタッフしかしない場合は、その場で判断がつきにくくても何かあるので就職を決めるかどうかは慎重に判断した方が良いでしょう。
中堅職が多いことに加え、職員の年齢層も幅広い施設があるならば、そこは「いい施設」と判断できます。
2 利用者さんの「表情、食事、身の回り」はどう?
利用者さんを見ることで「介護の質」が分かります。
高齢者は物事に対してとても敏感です。ニコニコしている利用者さんが多ければ多いほど、のびのびと生活できている環境だということの判断ができます。
介護は、利用者さんを主体として対応しなければならないのが基本のあり方です。
しかし、時間に追われている職員は自分の都合の良いようにケアしがちです。。
このことからも、『利用者さんの表情が良い・ニコニコしている施設』というのは、利用者さん主体の生活が送れている証でもあります。
もし、食事の時間に見学することができるなら、注意深く観察しておくと良いでしょう。
✓ 食事介助は利用者さんのペースに合わせているか?
食事の時間は一日の中で特に慌ただしくなる時間帯です。
利用者さんが疲れてしまう前に、食事を介助し、口腔ケアをして、最後に臥床介助までしなければならないので、まるで流れ作業のようになっているところもあるのです。
ですが、良い施設というのは、利用者さんに今から何を口に入れるのかしっかりと声をかけて、利用者さん本人のペースに合わせた介助を心がけます。
「黙々と介助する職員が多いのか?」
「しっかり説明しながら介助する職員が多いのか?」
どちらのタイプが働いているのかを観察しておきましょう。これだけでその施設の「介護の質」が分かってきます。
また、利用者さんを見かけた時は「服はキレイか?」「ひげはしっかり剃っているか?」「目ヤニはついていないか?」などを見ておくと良いでしょう。
時間に追われ過ぎている施設は、利用者さんの整容ですらも怠ってしまっている場合が多いので、この辺りも着目しておくと良いでしょう。
3 施設の『雰囲気、掃除(整理整頓)』はどう?
施設内の雰囲気というのは、今後働く上で1番重要になります。
- 穏やかな雰囲気の施設
- バタバタした雰囲気の施設
- 明るい声が良く聞こえる施設
など、施設にはそれぞれ雰囲気があります。
職員間の人間関係が良ければギスギスした雰囲気など微塵も感じないはずですし、利用者主体で考えている施設なら、利用者の波長に合わせた穏やかな空気感があります。
特に「自分の直感はけっこう当たる」と思う人は、少しでも違和感を感じたなら、入職するかどうかは慎重に判断するべきです。
✓ 施設内は掃除が行き届いてる?
また、掃除が行き届いているかどうかの確認もしておきましょう。
掃除が行き届いていていない施設は、職員が少なく利用者のケアだけで手いっぱいになってしまっている可能性が高いです。
介護施設ならば、綺麗な空間にしておくべき。
そこまでの配慮がなされていない施設は、介護の質自体も良くないのではと疑うべきでしょう。
介護士の施設見学で絶対に聞いておくべき質問は?
施設見学では担当者から「何か質問はありますか?」と聞かれることも多いです。
ですが、「どんなことを聞けば良いのか?」具体的な質問が思い浮かばない人も多数いると思います。
特に、初めて介護業界で働こうと思っている就職希望者にとっては「何が分からないのかが分からない状態」になっている場合も多いので、見学時の質問は限られた時間の中だからこそ厳選して、事前にある程度考えておく必要があります。
中でも特に聞いておいた方が良いのは以下の8つの項目です。
これだけは聞いておきたい見学時の質問8選
- 施設特有の特色は?他の施設との違いは?
- 利用者の人数と介護度は?
- 介護施設内の活動
- 1か月のシフト状況
- 新人研修期間はあるかどうか?
- 入社後はいつから現場業務に入るのか?
- 新人担当職員はいつまでついてくれるのか?
- 夜勤業務はいつから開始するのか?
後々トラブルにならない為にも、業務に関する質問は必ずしておきましょう。
「現場業務に入る前から新人研修が行われているのか」
「指導者はいつまで指導してくれるのか」
「いきなり夜勤に入るようなことはないか」
の3つが特に重要です。
新人指導をしっかり行っているかによって、その施設の介護の質にも繋がってきます。
人の命を預かる責任重大な仕事ですので、施設側がその意識があるのかどうか見極めるポイントにもなるでしょう。
また、施設の特色は様々なので、その施設が何のサービスを売りにしているか、どのような施設内活動をしているかによって日々の業務内容が変わってきます。
「ボランティアによる歌が週に1回ある」「書道教室や陶芸教室がある」など、職員も利用者と共に楽しめる行事があると、仕事のやりがいにも繋がります。
関連記事:介護士転職の失敗事例を紹介します
【注意!】面接時の施設見学は採用基準になっているって本当?
施設見学会は、担当職員が就職希望者に施設内を説明しながら案内しているだけ、、、なんて思ってませんよね??
実は『あなたという人物がどんな人なのか?』を見られているのです。
人の本質は、履歴書や面接だけでは分かりません。
実際、利用者を目の前にして初めて「素」が見れるのを担当者は見逃しません。
利用者を目の前にしているにも関わらず無表情、挨拶もしないような人を採用したとしても正直続く見込みはないと考えざるを得なくなります。
一方、笑顔でハキハキと挨拶できる人であれば、未経験であっても、施設としてはぜひ採用したいと思うのです。
表情や態度は仕事に対する気持ちの表れでもあります。
介護士は『対人援助』であり、利用者を大切にする心が求められます。
印象によって採用の判断が大きく変わるので、素の自分が本当に介護士としてふさわしいのか考え行動に移しましょう。
介護施設の見学で必ず守りたい業界特有のマナー
介護施設は利用者にとって「自宅」と同じということを理解しておくべきです。
ですので、見学の際は「人の家に上がらせてもらっている」という意識を持つことと、社会人としてのマナーが強く求められます。
具体的には以下の点に気を付けておくと良いでしょう。
見学時に気を付けたいマナー・注意点
・利用者、職員には笑顔でハキハキと挨拶をすること
社会人として挨拶は基本中の基本です。ただ挨拶するのではなく、利用者や職員から挨拶されるより先に自分から笑顔でハキハキと挨拶をするようにしましょう。
・できるだけ足音はたてないこと
大きな音に敏感な利用者も中にはいます。穏やかな雰囲気の介護施設で大きな足音を立てるなど非常識です。スリッパの場合は、すり足気味で歩くと大きな音が出てしまうので気を付けましょう。
・風邪気味の時は必ずマスクの着用を
高齢者にとって、軽度の風邪であっても肺炎に繋がり重症化してしまう恐れがあります。場合によっては命さえ奪われることもあるので、病気を移さないためにも必ずマスクは着用しましょう。
・勝手に施設の物や個人の物品を触らないこと
施設の物は基本的には置く場所が決まっています。利用者が触ってけがをしてしまったり異食してしまわないために危険なものは高い場所に置くこともあるのです。また、個人の物品を勝手に触るのは非常識なのでやめましょう。
「私服でも良いの?」介護施設の見学にふさわしい服装は?
就職活動や転職活動での介護施設や老人ホームの見学は、スーツが基本です。
ですが、アットホームな雰囲気の老人ホームも多いので、絶対にスーツで行かなければならない訳ではありません。
ですので、スーツでも私服でもどちらでも構いませんが、『就活・転職活動中の施設見学』ということを考えればスーツの方が無難です。
もし私服で行く場合は、普段着ているような私服ではなく清潔感のある「ジャケットスタイル」で行きましょう。
女性の場合は、オフィスカジュアルのイメージでブラウス・ジャケットまたはカーディガン、ズボンはチノパンがおすすめです。
男性の場合は、シャツ・ジャケットまたはカーディガン、ズボンはチノパンが良いでしょう。
カジュアルスタイルであってもビジネスの基本を押さえたスタイルになるよう心がけましょう。
見学当日の持ち物リスト
- A4サイズの資料が入るバッグ
- 筆記用具
- ハンカチ、ティッシュ
- 携帯電話
- (女性の場合)ストッキングの予備
- 折り畳み傘
施設見学の時は、施設の案内資料を渡されます。
頂いた資料を折り曲げて鞄にしまうのは失礼にあたるので、A4サイズの資料がそのまま入るようなバッグを用意しましょう。
また、いつ雨が降り出しても良いように折り畳み傘は常に鞄の中に入れておくと便利です。
女性の場合は、いつストッキングが伝線するか分からないので念のために予備のものを用意しておきましょう。
見学後はお礼状やお礼メールは必要?
お礼状やお礼メールは「必ず必要か?」と聞かれるとそうではありません。
ですが、個人的な意見を言わせていただくならば、施設見学が済んだらお礼状やお礼メールを送ることをお勧めします。
理由は、メールやお礼状の1本で、あなたの印象が全然違ってくるからです。
つまり、採用されたいと思っているなら、お礼メールやお礼状はやらない理由がありません。
特に、ライバルがいる求人への応募なら、ライバルと差をつけるためにも実践した方がいいのは明確です。
お礼状やお礼メールを送るポイントは、『できるだけ早めに送ること』が重要です。
お礼メールの場合は見学の当日に。
お礼状の場合は2日以内には送るようにしましょう。
※参考 お礼状の書き方
(書き方の例)
拝啓 晩秋の候、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
この度はご多忙の中、施設見学の機会をいただきまして誠にありがとうございました。見学を通して、現場の空気や雰囲気を感じることが出来たとともに生き生きと働いておられる職員の皆様のお姿を見てより一層介護士になりたいという気持ちが高まりました。貴重な体験をさせていただき心より感謝しております。
入居者様、施設長様をはじめ職員様のご健康をお祈りします。 敬具
手紙の場合は、便箋は縦書きのものを封筒は白色で長形4号のものを選びます。
ペンは黒色のボールペンまたは万年筆が良いでしょう。
※参考 お礼メールの書き方
(書き方の例)
件名:『〇月〇日 施設内見学のお礼』
内容:
〇〇〇老人ホーム 〇〇〇(部署名) 〇〇〇様
本日、施設内見学に参加させていただいた〇〇〇と申します。
この度はご多忙の中、お時間を割いていただき誠にありがとうございました。
見学を通して、現場の空気や雰囲気を感じることが出来たとともに生き生きと働いておられる職員の皆様のお姿を見てより一層介護士になりたいという気持ちが高まりました。貴重な体験をさせていただき心より感謝しております。
入居者様、施設長様をはじめ職員様のご健康をお祈りします。
(大学生ならば)〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科4年
〇〇 〇〇(名前)
e-mail:
住所:〒
TEL:
件名はお礼のメールであることを必ず記入し、メールの最後には送信者の情報を記入しておくのが鉄則です。
これから働く現場を自分の目で見るチャンス
一般企業の場合は、事前に見学できる会社は少ないですが、介護施設の場合は必ず見学することが出来ます。
面接時に施設を訪問するだけでは何も分かりません。
実際に施設内を見学したり、担当者と小一時間話しながら過ごすことで、自分の働く姿をイメージしたり、雰囲気を感じ取ることもできますし、施設に対しても自分をアピールできる絶好の機会になります。
見学中の態度や質問などから、「職員は見学者が介護に対しての前向きさがあるかどうか」を見ています。
社会人としてのマナーや礼節を守り、好印象を残しましょう。
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