利用者や利用者家族からの頂き物やプレゼントって皆さんどうされてますか?
利用者たちは感謝の気持ちを表したくて渡すのですが、介護職としては飴玉1個であろうと受け取ることに躊躇してしまいます。
皆さんは毅然とした態度でお断りしていますか?それとも時と場合によっては受け取ってしまっていますか?
果たして、正しい対応はあるのでしょうか?
実際に起きた事例や、「なるほど!」と感じる、頂き物の対処・処分法についてまとめました。
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利用者さんからの頂き物ってみんなどうしてる?【事例を紹介】
原則のルールはどうなっているのか?
利用者からの頂き物に関しては、原則禁止なところがほとんどです。
介護職として働く人は、介護高齢者などの利用者から贈り物やプレゼント、現金、お中元やお歳暮などをもらってはいけません。
これは介護の大原則といえます。
新人の介護職だと「感謝の気持ちとしてなら少しくらい受け取っても良いのでは?」と考えるかもしれませんが、それは間違いです。
何故なら、介護職は「介護保険料や税金などの公的なお金」をもらって仕事をしているからです。
例えば、市町村が経営している介護施設であれば、そこで働く介護職は”公務員”です。
この「公務員の介護職」が、利用者から贈り物や現金を受け取ると、最悪、賄賂(わいろ)罪が適用されます。
法人や企業の介護職はもちろん公務員ではありませんが、「完全な民間ビジネスパーソン」でもないので、やはりプレゼントを貰えば「賄賂になる可能性がゼロではない」と言わざるを得ません。
また、悪意のある利用者家族なら、介護職や事業者に贈り物をした後に「あんな高価なものを受け取ったんだから、うちの母親を特別扱いしろ」と主張する輩がいるかもしれません。
ただ、介護保険制度が始まった当初、この贈り物禁止の大原則を「守りすぎている」事業所もありました。
訪問介護を行っていたその事業所は、訪問介護員に「訪問先では利用者が出すお茶も飲んではいけない」と指導していたのです。
ここまで禁止にしてしまうと、利用者とのコミュニケーションがスムーズにいかないので、介護における贈り物問題は「線引き」がとても難しいのです。
高齢者を傷つけない上手な断り方は?
プレゼントをお断りする時は、毅然とした態度で、口調を柔らかく丁寧にお断りするのが大切です。
年配の方って何かあげたいって人すごく多いので、禁止されているとはいえ、押し付けるように渡してくる人も少なくありません。
そんな時でも、まずはあなた自身が毅然とした態度で「気持ちはすごく嬉しいけど、貰っちゃいけないルールになっているので」と丁寧にお断りするのが大切です。
ですが、「いいからいいから」と、押し付けられるように渡してくる方もいるので、どうしても断り切れず渡されてしまった場合は、上司に報告し、会社に預かってもらいましょう。
一番気を付けたいのは、無下に断って、その利用者との関係を悪くしてしまう事です。
こうならないようにする為にも、お年寄りの気持ちを傷つけないように対応してください。
頂き物やプレゼントはこう処分すれば「みんな平和」
物は受け取ってはいけない、だけど何から何まで全て断っていると、コミュニケーションが取りにくくなる。。
このように考えている人も沢山いらっしゃるんじゃないでしょうか?
禁止している施設が多い中、介護職へのプレゼントを「顧客満足度のものさし」としている有料老人ホームもあります。
この施設では、介護職は利用者たちからプレゼントをもらってOKなのです。
もちろん、お中元や現金も受け取り可です。
この有料老人ホームは富裕層向けなので、「プレゼントをあげることができない」という入居者がいません。
ただ、介護職員は頂き物を受け取ったら必ず施設側に報告しなければなりません。
プレゼントが多い介護職ほど「良いサービスをしている」という評価になり、ボーナスも増えます。
これは欧米の飲食店で行われている「チップ制度」と同じ考え方といえます。
良いサービスに対して追加の報酬を与えることで、更に質の高いサービスを受けられる仕組みです。
また、「原則、頂き物はNGだが、拒絶できない場合は全て施設が預かる」という施設もあります。
こういった介護施設では、頂き物を保管しておき、職員の歓送迎会や親睦会の景品に使っているケースもありますし、職員のボウリング大会の賞品になることもあります。
「頂き物は職員全員で分ける」という考え方もアリなんじゃないでしょうか。
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