介護施設の夜勤が辛い、辞めたい。過酷な実態と乗り切る方法は?

「今から夜勤だけど行きたくない」

「重労働だと聞いてはいたけど、介護職の夜勤がこんなに辛いものだとは思わなかった…」

 

夜勤嫌だな、行きたくないな
と思ったことありませんか?

 

介護業界の人員不足は年々深刻化していっており、危機に直面しています。

そのような中で働く現介護職員の夜勤における身体的・肉体的苦痛は想像の域を超えるものですが、それでも改善されない勤務体制。

人員不足は職員一人にかかる負担を増やし、体調を崩した職員・疲弊した職員が辞め、また仕事が増えて…と私たちはいつまでもこの無限のループに耐えています。

介護の夜勤が辛い!きつくて仕事を辞めたい!と思っているあなたに、みんながどのようなことに悩んでいるのか?そして、夜勤を乗り切るにはどうすれば良いのか?について書いているので、この記事を読んで、少しでも解決方法が見つかればいいと願います。
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介護施設の夜勤が辛い。その実態を現役職員が公開します

介護施設の夜勤は『約70%が2交代勤務』で働いています。

私の勤める特養でもシフト上は「17:00~翌朝9:00まで」の2交代勤務です。

しかし、17時から夜勤勤務のはずなのに、どの職員も15:30には出勤しています。

1時間半前に入る理由は単純明快で、『シフト通り出勤しては仕事が追いつかないから』です。

そして仕事が上がれるのが翌朝10:30で、シフト通り帰ろうにも帰れないのです。

✓ こんなにある!介護士の夜勤の仕事内容

・巡回
・2時間おきの体位交換
・数時間おきの排泄ケア
・バイタル測定
・配薬
・カルテの記入
・臥床前、起床前の着衣交換
・起床介助→整容
・朝食準備→朝食介助
・雑務、洗濯 等々…

あくまでこれが必要最低限の介助です。

これらのを行いながら、ナースコールの対応・徘徊者の対応をしなければなりませ。

少しでも物音が聞こえれば、誰かがどこかで転倒した可能性があるので、巡回時間以外にも見回りに行かならないので、大変だと感じる職場も多いです。

 

また、休憩時間・仮眠時間(2時間)がしっかり取れる、なんてことはまずあり得ません。うちの施設に関しては

加えて、私の勤めている施設はターミナルケアに力を入れている施設なので、重度な利用者さんが多いのです。

職員2人体制で40名の利用者を見ていますが、状態の悪い利用者さんが亡くなった場合には1人の職員が連絡業務をしなければならないため、残された職員は1人で40名の排泄ケアや起床介助を行います。

その間もナースコールはなり続け、介護施設の夜勤は本当に疲れます。

これが介護職の夜勤の実態だということを世間は知らないのかもしれません。

介護の夜勤従事者ならではの辛い・辞めたい悩みは?

夜勤の拘束時間が17時間と長い

介護施設の夜勤は一般的に2通りの勤務体制があります。

  • 17:00~9:00
  • 22:00~8:00

先ほども説明した通り、約70%の介護施設は2交代勤務となっているので、17:00~9:00の勤務が最も多いです。

シフト上での拘束時間は16時間。

しかし、定時に来て定時で帰れるような業界ではありませんので、実際の拘束時間は17時間~18時間といったところでしょうか。

1か月あたりの夜勤の平均回数は「4~5回」というのが一般的ですが、中には人員不足から「月に6~7回」という施設も存在します。

拘束時間を減らす・夜勤の回数を減らすことが夜勤に対しての負担軽減に繋がる解決方法ですが、人員が安定しない介護施設の勤務体制を変えることは非常に困難です。

全国で30%の施設は3交代勤務となっています。

2交代の施設ばかりにこだわらず、もっと他の施設にも目を向けてみてはどうでしょうか?


夜勤を何才まで続けられるか不安

介護施設の夜勤は重労働なので「体力・気力」を要します。

20代でもう既に「夜勤しんどい」と思っている介護士の方、実際のところ『何才まで夜勤を続けられるか』考えたことありませんか?

ですが、中には60代でピンピンして働いている方も実際には居ます。

この違いは一体何か?その答えは『勤務状況』にあります。

環境に恵まれていなければ、60代で夜勤を続けることはまず困難でしょう。

職員のことを第一に考えている施設ならば、結構年配の方でも身体を壊すことなく夜勤をしているものです。

「何才まで夜勤を続けることができるのか」という疑問のアンサーは、職場の環境そのものにあると考えたが良いでしょう。


正社員の雇用条件に夜勤が含まれている

正社員の場合は、夜勤のある施設ならば、どの施設でも「日勤・早出・遅出・夜勤」これらすべて行います。

正社員の給料は、『基本給+夜勤などの各種手当=総支給額』となります。

夜勤手当は1回3000~8000円が相場となっています。

夜勤に入りたくないと思いながらも、生活のために夜勤をしなければならないという方も、多いのではないでしょうか?

一見、夜勤をしていれば給料が良いと感じます。

しかし実際のところ、夜勤手当がつく施設は基本給自体が低めに設定されている可能性もあります。

求人情報をしっかり見てみて下さい。

夜勤手当がつくから給与が良い、というわけではないのです。


看護師のいない夜勤に不安を感じている

特養の場合は、常に電話で連携をとれる「オンコール体制」をとっているところがほとんどです。

「転倒して頭から出血したらどうしよう…」「朝食を誤嚥・誤薬してしまったらどうしたらいい?」

など、看護師の居ない夜勤での不安は常に付きまとってくるものです。

責任重大の仕事ですから、何かあれば御家族からのクレームにもなりかねません。

介護施設は、転倒・熱発・誤嚥などはよくあることです。

その時、対応した職員はどのような手順を踏んで、どのように対応したのか確認し、なぜそのような対応をしたのか聞いてみて下さい。

転倒・熱発・誤嚥への対応を見れば、大体どのケースも同じような対応をしているのです。

不安な時は、不安な分だけ先輩を見て学ぶ、そして聞く。それに尽きると思います。

看護師って介護職に対して何であんなに偉そうなの?


一人でフロアを見なければならないのに業務が多すぎる

フロアごとに夜勤者1名ずつが配置されている夜勤では、仕事を分担する職員がおらず、全てを1人でしなければならないためその仕事量は膨大です。

フロアを1人で見なければならない上に、業務が多すぎる施設は、利用者さんの事故のリスクが高く、職員も疲弊した状態で夜勤業務をしなければならないので、職員が招いてしまった事故も少なくありません。

「業務の見直しを会議内で定期的に行っていますか?」

良い施設というのは、職員の負担を減らしつつも利用者さんのケアもしっかり行う施設です。

「業務改善を提案しても、認可されない」「業務改善すら行ってくれない」

こんな状態で働かされているなら、職員が辞めたいと思うのは当たり前です。

現状、そのような施設で働いているのならば、今後も夜勤を続けることはできるかどうかを真剣に考えるべきです。

きちんとした介護を行うためには、介護職員がまず心身ともに健康でなければなりません。

そうでないと「よりよい介護」というのは生まれないのです。


相性の合わない人との夜勤が苦痛

まず、人間関係の中で相性というものは必ず存在するので「相性悪いな」って思う人がいるのは当たり前のことです。

ですが、今回はあくまでも仕事での出来事です。

プライベートなら付き合いを止めればいいだけの話ですが、仕事はそうはいきません。

相性の合わない人とどのように人間関係をやりくりすればいいのか?

明確な答えはありませんが、苦手意識は、相手に伝わってしまうものなので、たとえ苦手でもコミュニケーションを心がけてみるようにしてみましょう。

介護職はチームワークが重要な仕事なので、仕事に関しての報告・連絡・相談だけでも構いません。

また、「仕事だから」と割り切ってしまうのも気持ちが楽になります。

連携をしっかりとらないことで、迷惑がかかるのは利用者さんです。

ただし、理不尽なことで先輩に怒られる・話しかけても返事すらないといった場合は、相性云々の問題ではないので、信頼できる上司に相談することをお勧めします。

人間関係で悩まない職場で働くには?

介護士が夜勤をうまく乗り切るコツは?

① 睡眠

夜勤をうまく乗り切るために一番重要なのは「睡眠」です。

私の場合は、前日の夜から寝て14:00に起きて15:30出勤といったサイクルでした。

ですが、いくら寝てもとにかく眠い。

眠い上に疲れが取れず夜勤の度に憂鬱でしたが、ある時より「前日の夜に寝る→6:00に起きる→10:00から3時間ほど寝る」というサイクルに変えると、眠気もなく体調も良くなったのです。

夜勤は体力勝負だからといって寝すぎると、余計疲れてしまい良くないです。

起きる時間と寝る時間、どれくらいが良いかは人それぞれですので、色々な時間で試してみて下さい。

 

② 利用者さんの行動を予測する

睡眠の質の向上に加えて、「利用者さんの行動を予測する」ことも重要です。

「〇〇さん今日は活発だから転倒しそう」「〇〇さん今日は下剤を服用しているから気を付けよう」

など、予測さえできていれば、事前に様々なリスクを減らすことができます。

その為にも夜勤に入る前には、日勤帯に働いていた方とコミュニケーションを取り、利用者さんのその日の状態を確認しておくことが大切です。

自分の意図していないことが起こると、心身ともに疲労が一気にかかってきますしアクシデント1つで仮眠時間が削られてしまうこともあります。

この2つを実行するだけでも疲労はかなり軽減されるので是非試してみて下さい。

夜勤がない介護の仕事で働くには?

夜勤がない介護施設にはどんなところがあるの?

夜勤の無い施設は3つです。

1)デイサービス

要支援または要介護度1~5の認定を受けた高齢者が利用できる通所型の介護サービスです。

仕事内容は、生活支援メインとなります。

2)デイケア

通称「通所リハビリテーション」と呼ばれています。

デイサービスと同じく利用者さんは在宅で生活されているので、職員も日勤のみです。

主にリハビリメインですが、最近では入浴やレクリエーションなども行っている施設が増えてきています。

3)訪問介護

在宅生活を送っている高齢者の家を訪れ、買い物・入浴・排泄介助などの生活援助や身体介助を行います。

中には24時間対応をしている事業所もあるので事前確認が必要です。

デイサービスの仕事内容や給料、求人について現役の介護スタッフに聞いてみたQ&A

限界を感じる前にもう一度考えよう

介護の夜勤が重労働で辛いというのは、これから先も正直変わらないと思います。

介護福祉士の受験資格が厳しくなった今、さらに介護業界の人員不足問題はさらに深刻化するでしょう。

「このまま我慢して働き続けますか?」「身体を壊してまで続けなければならない理由は何ですか?」

人間身体が資本です。

職員を大切にしてくれる施設ならば良いのですが、そうではないと少しでも感じているならば、周りに目を向けてみて下さい。

同じ介護の仕事でも日勤のみで働ける職場など、今よりもっと楽しくできる職場は山ほどあります。

夜勤をしていると、家族や恋人、友人と過ごす時間も必然的に減ってしまうので、ストレスから八つ当たりしてしまうこともあるでしょう。

人員不足から仕事を辞めることはできない、そう思うのは業界特有の悩みでもあるので、仕方がない部分もありますが、それで身体を壊してしまっていては意味がありません。

今一番大切にすべきことは何か、もう一度考えてみてください。

介護業界の場合は、正社員でなくとも日勤フルタイムの派遣の仕事や、1日3時間~6時間程度のパートや派遣という働き方もあります。

まずは、今の自分にどんな選択肢があるかを確認して、今後どうしていくかを検討してみてください。

介護派遣のメリット・デメリットは?

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